ついに開幕したEURO2024に、韓国Kリーグから2人の選手が出場することをご存じだろうか。
6月15日(日本時間)から1カ月間、ドイツ国内10都市で開催されるEURO2024には、2人のKリーガーが出場する。
蔚山(ウルサン)HD FCのハンガリー代表FWアーダーム・マルティン(29)、光州(クァンジュ)FCのアルバニア代表FWヤシル・アサニ(29)のことだ。
アーダーム擁するハンガリーはグループAに入り、15日にスイス、20日にドイツ、24日にスコットランドの順で対戦する。
同組では開催国ドイツが強者に挙げられるなか、残る3チームが2位の座をめぐって激しく争うものと見られる。
ハンガリーは最新FIFAランキングで26位とし、ドイツ(同16位)やスイス(同19位)よりも下だが、リバプールのFWドミニク・ソボスライ(23)やフライブルクのMFロランド・サライ(27)、ライプツィヒのGKペーテル・グラーチ(34)など侮れない戦力を誇る。
今月9日、イスラエル(同78位)とのEURO前最後の強化試合では3-0で大勝を収めている。
アーダームはEURO2024予選で8試合出場、2得点の活躍でハンガリーの本大会進出に貢献した。
確固たる主力ではないものの、先発として4試合に出場しており、立場はある程度安定している。イスラエル戦も後半12分から途中出場した。
アーダームは身長190cm、体重95kgの“巨体”を誇るストライカーだ。高さとパワーでは欧州でも十分な競争力を誇る。
ドイツのDFアントニオ・リュディガー(31、レアル・マドリード)など、ワールドクラスのCBを突破することがアーダームの最大の任務だ。
なお、アーダームは2022年夏に蔚山に入団し、今年でKリーグ3年目となる。
加入初年度は元日本代表MF天野純(32、現横浜F・マリノス)などとともにプレーし、14試合9ゴール4アシストの活躍で蔚山を17年ぶりKリーグ制覇に導いた。
昨季も5ゴール4アシストを記録し、チームの2連覇に貢献。今季も開幕10試合で3ゴールを挙げている。ちなみに、蔚山では元日本代表MF江坂任(32)や元韓国代表MFイ・チョンヨン(35)などとチームメイトだ。
一方、アサニ擁するアルバニアは“死の組”に入った。グループBで16日に前回王者イタリア、19日にクロアチア、25日にスペインの順で対戦する。
アルバニアの最新FIFAランキングは66位。同8位のスペイン、9位のイタリア、10位のクロアチアとは大きな差がある。
ただ、順位だけを見れば“グループ最弱”と言えるが、予選ではポーランド(同28位)やチェコ(同36位)など強国を退け、グループ首位で堂々と本大会進出を決めた。
アサニは予選8試合にすべて先発出場し、3ゴールを決めてアルバニアの本大会行きをけん引した。
アサニは光州に加入した昨シーズン、リーグ戦33試合で7ゴール3アシストを記録し、クラブ史上最高順位の3位フィニッシュかつ史上初のACL出場権獲得に大きく貢献した。
ただ、今季のアサニは光州でほとんど出場機会を得られていない。
というのも、冬の移籍市場で欧州再進出を進めていたにもかかわらず、最終的に失敗に終わり、光州のチーム練習に遅れて合流したからだ。
光州率いるイ・ジョンヒョ監督が要求するレベルまでコンディションを作れず、今季リーグ戦は途中出場1試合のみ、それもプレータイムわずか8分にとどまっている。
にもかかわらず、アサニは本格的にコンディションが上がった5月に入るとアルバニア代表に選出され、指揮官のため息を誘っていた。
とはいえ、アサニは突破力やシュート能力が抜群に優れた左利きのウィングだ。右サイドから中に切れ込むプレーも一品で、アルバニアになくてはならないアタッカーであることは間違いない。
6月の国際Aマッチでも、リヒテンシュタイン(202位)戦、アゼルバイジャン(112位)戦いずれも先発出場し、リヒテンシュタイン戦では1ゴール1アシストを記録した。そのため、EURO本大会でも着実に先発でプレーする可能性が高い。
世界的な選手が揃うグループBで、“Kリーガー”のアサニがどれだけ活躍できるかも注目だ。
以下、ハンガリー代表及びアルバニア代表のグループステージ日程。
◇
6月15日22時 ハンガリー代表(アーダーム)vsドイツ代表
6月16日4時 イタリア代表vsアルバニア代表(アサニ)
6月19日22時 クロアチア代表vsアルバニア代表(アサニ)
6月20日1時 ドイツ代表vsハンガリー代表(アーダーム)
6月24日4時 スコットランド代表vsハンガリー代表(アーダーム)
6月25日4時 アルバニア代表(アサニ)vsスペイン代表
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