かつてFC東京、大宮アルディージャ、ガンバ大阪で活躍した韓国代表DFキム・ヨングォン(34)が、自身に対する批判について言及した。
キム・ヨングォンが所属する蔚山(ウルサン)HD FCは5月12日、ホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で行われたKリーグ1(1部)第12節で金泉尚武(キムチョン・サンム)と対戦し、2-2で引き分けた。
終盤まで1点差でリードしていながら、終了間際に痛恨の同点弾を喫して勝利を逃した蔚山の選手たちは、残念な表情を浮かべたまま会場を後にした。
そのなかでも、キム・ヨングォンは普段とは違って帽子を目深に被り、顔を隠したまま足早にミックスゾーンを立ち去ろうとしていた。
彼が心に抱える“大きな荷物”が感じられた。
キム・ヨングォンは同日、蔚山が前半早々に先制して迎えた前半26分、自陣ペナルティエリア内で突破を図った相手MFカン・ヒョンムク(23)を倒し、VARを経てPKを与えてしまった。これを相手FWキム・デウォン(27)に冷静に決められ、同点に追いつかれた。
それでも、後半に巻き返しの土台を築いた。キム・ヨングォンは後半6分、敵陣ゴール前でのフリーキックから勝ち越しとなるヘディングゴールを決めた。
このまま2-1のスコアで試合が終了していれば、“ヒーロー”になることができた。
しかし、蔚山は試合終了の笛が鳴る前、金泉のDFキム・テヒョン(27)に再同点弾を許した。キム・ヨングォンの得点も色あせた。
蔚山だけでなく、韓国代表でもDFリーダーを担うキム・ヨングォンだが、今季は例年以上にパフォーマンスが良くない。3月の仁川(インチョン)ユナイテッド戦、4月の大田(テジョン)ハナシチズン戦でも安易なパスミスで失点の原因となるなど、彼らしくない失策が続いている。
金泉戦もPKとなったファウルをはじめ、失策性プレーが数回みられており、懸念の声は日増しに高まっている。一部のファンは不振の原因を“エイジングカーブ”と指摘している。
キム・ヨングォン本人も、自身に対する最近の批判世論を知っている。特に同日、自分のミスでチームのリーグ戦連勝記録が5試合で途絶えたという事実を受け、自責の念に駆られているようだった。
普段はミックスゾーンで報道陣の取材に気軽に応じるキム・ヨングォンだが、今回は“罪人”のようにその場を抜け出そうとした。
当初は取材対応が難しいという態度を見せていたキム・ヨングォンは、気を引き締めて報道陣の前に立った。
そして、最近の不振については「実力だ。自分が悪いことをしたのだから、特別申し上げる言葉がない。サッカーでミスは次にも出るかもしれない。できるだけやらないように頑張るしかない」と話した。批判を甘んじて受け入れようという姿勢だった。
キム・ヨングォンの不振をめぐっては、体力的な困難について言及する人も多い。
1990年生まれのキム・ヨングォンも今や34歳だ。今まで以上に“管理”が必要な年齢であることは間違いない。
しかし、今年1~2月は韓国代表の一員でアジアカップに出場したため、蔚山の冬季キャンプにほとんど参加することができなかった。
また、3月の国際Aマッチ期間も代表に選ばれ、タイ代表と北中米W杯アジア2次予選2連戦に参加していた。数少ない休息で、まともに息を整えることができなかった。
何より、蔚山は今季から守備陣で大きく選手が入れ替わった。センターバックのDFチョン・スンヒョン(30)はUAEのアル・ワスル、右サイドバックのDFキム・テファン(34)は全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに移籍した。
これらの要因もあり、キム・ヨングォンがコンディションを調整しながらチームに溶け込む時間が足りなかったのも事実だ。
この話にキム・ヨングォンは感謝した様子だったが、「ここにいらっしゃる記者の方々はわかっていただけるかもしれないが、わかっていただけない方がもっと多いのではないか」とコメント。
そして、「言い訳のように聞こえるかと思って言わなかった」とし、「“体が大変だからだ”という話と関連して、知らない方にはいくら言ってもわからない。自ら勝ち抜かなければならない」と話していた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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