1月31日未明、仁川(インチョン)国際空港に到着したキム・グァンヒョンは、自分を待っていた多くの報道陣を見て目を丸くした。
セントルイス・カージナルスと2年800万ドル(約8億7000万円)で入団契約を締結したキム・グァンヒョンはこの日、アメリカ行きの飛行機に乗った。
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韓国KBOリーグを代表する左腕のメジャーリーグ進出を見守ろうと、現場には多くの取材陣とファンが集まった。
明るい表情で取材陣の前に立ったキム・グァンヒョンは、「2カ月ほど休んで体の状態は大丈夫だ。無条件に頑張らなくてはと思う。これから始まるのでコンディションを整えて、春季キャンプをしっかり行えるように努力する」と決意を固めた。
トロント・ブルージェイズに移籍したリュ・ヒョンジンと、沖縄で一緒にトレーニングしたキム・グァンヒョンは、「ワールドシリーズで再会するのが最高のシナリオ」と話した。
キム・グァンヒョンは2019年シーズン、韓国KBOリーグで190.1イニングを投げ、180奪三振、防御率2.51、WHIP(投球回あたり与四球・被安打数合計)1.24を記録。2008年北京五輪の予選と準決勝の日本戦に先発し、いずれも試合で韓国が勝利したため“日本キラー”と呼ばれた。2019年プレミア12では韓国代表として2試合に先発登板した。
以下、キム・グァンヒョンとの一問一答。
◇
―実感は出てきたか。
これほど多くの方がいらっしゃるとは思わなかった。やっぱりメジャーリーグは次元が違う(笑)。最近になって実感している。アメリカでまだ野球をしてもいないのに、多くの関心をもらった。プレッシャーも感じるが、頑張って、さらに多くの関心を受けなければと思う。
―メジャーリーガーはキャンプ初日から全力ピッチングできるほど体を作る。残りの期間のトレーニング計画は?
2月22日に最初のオープン戦があると報告を受けた。その日の実戦に合わせると、沖縄ではハーフピッチングを超える必要があると考えた。2月22日に登板するかどうかはわからないが、最初の試合で1、2イニングを投げられるようにコンディションを作りたい。
―沖縄ではリュ・ヒョンジンと練習しながら、どんな話をしたのか。
ヒョンジン兄さんが「私は最初に行ったとき、体も作らずに行って怒られたが、お前はそれよりはいい」と言っていた(笑)。アメリカ生活について、あれこれ話した。ヒョンジン兄さんと親しいながら、個人的に電話をする関係ではなかったので、今回が良い機会になった。ワールドシリーズで再会するのが最高のシナリオだ。
―ポジション争いに焦点を当てた準備は久しぶりになる。
新人時代のことをたくさん思い出した。新人のときも多くの関心を受け、それがプレッシャーになって支障もあった。今は歳月が過ぎたので、そんなミスは2度としないだろう。今はこんなことも楽しむときになったと思う。実力で見せたい。
―先発入りするべきだが、自信は?
春季キャンプのときは、先発に焦点を合わせなければならない。最も自信があるし、今までやってきたことも先発投手なので頑張る。
―先発にこだわらず、ブルペン投手になることもできると話していたが。
チームが求めるのであれば、そうする考えだ。SKワイバーンズでも試合中盤に出たこともある。どこの立場でも最善を尽くすのがプロだと思う。
―韓国でずっと背番号29番だったが、今回は33番をつけた。
残っていた背番号をくれた(笑)。29番にこだわる理由もなかった。他の選手がつけていたので。29番を他の選手がつけているのに、新人がもらうわけにもいかない。
33番はキウム・ヒーローズのソン・ヒョク監督が推薦してくれた番号だ。電話をして残っている背番号を伝え、選んでもらった。僕もその数字が最も気に入った。
―ルーキーシーズンとなるが、目標は?
ローテーションから外れることなく投げ続けるのが最初の目標だ。いろいろと考える必要なしに、チームから投げろといわれたら投げ、チームに利益を与える行動をすることが生存方法だと思う。
―韓国に帰ってきたと、どんな評価を受けていたいか。
帰ってきて、またこんなに人が集まってほしい(笑)。凱旋帰国したい。
―韓国のファンに一言。
ファンのおかげでメジャーに行くことができた。この場を借りて、再びお礼を伝えたい。本当に頑張っている姿を見せられるように、最善を尽くしたい。
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