アジアカップに参加中の韓国代表選手たちは、練習以外の時間を思い思いの方法で過ごしているようだ。
ユルゲン・クリンスマン監督率いる韓国代表の雰囲気は良い。64年ぶりのアジア王者奪還へ周囲の期待感も大きいなか選手たちは一様に「チームの雰囲気が本当に良い」と口をそろえる。
実際に現場を見ても、そう感じる。韓国代表の練習場では常に笑顔が絶えない。練習前には“プレイリスト”を流しながらウォーミングアップをすることもある。
その要因としては、結果から来る影響が最も大きく作用しているだろう。
韓国は昨年9月、サウジアラビア戦でクリンスマン監督体制初勝利を収めて以降、国際Aマッチ6連勝をマークしている。
6試合で20得点かつ無失点だ。また、7試合連続でクリーンシートを達成するなど、攻守のバランスも優れている。雰囲気が良くならざるを得ない。
何より、試合以外の部分から来る雰囲気もある。選手たちは集中力を引き上げて午前中の練習に没頭し、午後は各自の時間を過ごしている。
そのおかげで、午前と午後のスケジュールが明確に区分されている。“集中力”が最も良い時間帯には練習を行い、それ以外は“自由時間”が充てられている。
韓国サッカー協会(KFA)によると、午前の練習が終了すると、クリンスマン監督は選手のスケジュールについて一切関与しないという。
休息の過ごし方は人それぞれだ。
今季プレミアリーグで得点ランキング6位(20試合10ゴール)の好調ぶりを見せるFWファン・ヒチャン(27、ウォルヴァーハンプトン)は、余暇の時間のためにカラオケの機会をKFAに要請。韓国からドーハへ機械を“直接”空輸してきた。
代表の宿舎内には、卓球台やコーンホールなども設置されている。
コーンホールとは、一定距離離れた場所から穴の開いた板にビーンバッグを投げ入れる遊びだ。“集中力”を養うために作られたゲームというが、韓国代表の“最強者”はMFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)とMFファン・インボム(27、ツルヴェナ・ズヴェズダ)だという。
KFA関係者も、「イ・ガンインの“決定力”はとても良い。さすが万能な選手だ。ファン・インボムも欠かせない選手」と耳打ちして笑っていた。
“盤上の決戦”も繰り広げられている。ファン・ヒチャンと“チャンギ(韓国の将棋)マニア”で知られるMFパク・ヨンウ(30、アル・アイン)は、UAE・アブダビから五目並べ対決を繰り広げているという。
ほかにも、ゲーミングノートPCを持参して静かにゲームに没頭する選手もいるなど、午前の厳しい練習を終え、選手が各々の“ヒーリングタイム”でコンディションを調整しているようだ。
そんななか、かつてFC東京、大宮アルディージャ、ガンバ大阪にも在籍したベテランDFキム・ヨングォン(33、蔚山HD FC)は、“ウェイトトレーニング・ホリック”になっている。
KFA関係者は「22時までジムの電気が消えない。見ると、キム・ヨングォンがトレーニング中だった」とし、「長い間選手生活を続けられる理由がそこにある」と伝えていた。
韓国はアジアカップ期間、決勝まで進めば最大7試合、1カ月以上もカタールで過ごさなければならない。“ワンチーム”を叫びながらも“ヒーリングタイム”を過ごせる環境が、チームの雰囲気向上に大きく貢献しているようだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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