ニューヨークが山本由伸(25)を望んでいる。
今冬のFA市場における投手最大の注目株は、オリックス・バファローズの日本人投手・山本だ。
専門家たちも疑いの余地のないFA1番手の投手として挙げている。ナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞した左腕ブレイク・スネル(31、サンディエゴ・パドレス)よりも上だ。
敏腕代理人のスコット・ボラス氏は認めたくないだろうが、現実は山本だ。スネルの代理人はボラスが勤めている。
現在、山本の目的地はニューヨークを指している。
ニューヨーク・メッツのスティーブン・コーエン・オーナーは先週来日し、食事をしながら会合を行った。
今月12日にはニューヨーク・ヤンキースを訪問してプレゼンテーションを聞く予定だ。そのほかの球団は、山本と接触したという報道はまだない。
シカゴ・カブス、ロサンゼルス・ドジャースも山本を獲得する可能性が高い。
山本はこれまでメジャーに進出した日本人投手のなかでもトップレベルだ。MVP、沢村賞、投手3冠を3年連続で受賞した。すでに実力が検証済みの選手だ。
実際、メッツとヤンキースは日本人投手を補強してかなりの利益を得てきただけに、獲得に積極的にならざるを得ない。
メッツは昨年、千賀滉大(30)とフリーエージェント契約を結んだ。元福岡ソフトバンクホークスの右腕投手である千賀は完全FAでメッツと5年7500万ドルの契約にサインした。年俸1500万ドルだ。
マックス・シャーザー(39)、ジャスティン・バーランダー(40)の2大投手の間で先発3~4番手を担うと予想された千賀だが、実際にはエース級の活躍でメジャーデビューを華やかに飾った。
2023年シーズンは29試合に先発登板して12勝7敗の防御率2.98を記録。規定投球回を満たす166.1回に、126被安打、202奪三振、77四球とエース級のピッチングを披露した。
惜しくも新人王には選ばれなかったが、ナ・リーグ得票数で2位だった。現時点で千賀はメッツのエースだ。年俸に比べてコストパフォーマンスでは最高だ。
ヤンキースは2014年1月、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大(35)と7年1億5500万ドルの契約を結んだ。年俸2214万ドルだ。トレード不可条項と4シーズン後にオプトアウトを行使できる条件だった。
野手・投手問わず日本人投手としては歴代最高額だったが、山本はこれを軽く上回る見通しだ。
田中は7シーズンで78勝46敗、防御率3.74を記録した。計1054.1回を投げ、991奪三振、208四球の投球内容を見せた。2020年の契約最終年には10試合に登板して3勝3敗の防御率3.56とし、ヤンキースとの再契約に失敗、古巣・楽天に復帰した。田中は“成功したFA”として記憶されている。
メッツとヤンキースは日本人投手の成功事例があるため、山本獲得に対し他球団よりもはるかに積極的だ。
何より、日本人選手はグラウンド外での雑音がなく、礼儀も正しいため、多くの球団から好まれている。
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