韓国プロサッカー連盟(以下、連盟)は12月4日、「HANA 1Q(ハナワンキュー)Kリーグ 2023大賞授賞式」が開催されたソウル蚕室洞(チャムシルドン)のロッテホテルワールドで2023年度第8次理事会を行った。
今回の理事会では、△2025年シーズンからの外国籍選手枠変更、△Kリーグ1におけるU-22選手義務出場制度の一部緩和、△2025年シーズンからの「ホームグロウン」制度導入などの案件を審議議決した。
Kリーグでは2025年シーズンより「アジア枠」を撤廃する代わりに、国籍を問わず外国籍選手を追加で1人登録、出場できるようになった。
これにより、Kリーグ1では国籍を問わず外国籍選手を最大6人まで登録でき、最大4人まで試合に出場させることができる。
Kリーグ2では、国籍を問わない外国籍選手4人及び東南アジア国籍選手1人を登録でき、登録された外国籍選手は全員試合に出場させることができる。
今回の決定は、近年のアジア主要リーグにおいて「アジア枠」が撤廃されている傾向を反映したものだ。
日本やサウジアラビア、中国、オーストラリア、カタールなどのアジア主要リーグでは現在、「アジア枠」が設けられていない。
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)においても、2024-2025シーズンより「アジア枠」が撤廃され、外国籍選手の登録と出場が無制限に認められる。
ただし連盟理事会は、Kリーグにおいて相当数のチームが2024年まで「アジア枠」の選手との契約期間が残されている点を考慮し、1年の猶予期間を設け、2025年シーズンから変更された制度を施行することにした。
22歳以下の選手が試合に出場しない場合、交代枠の枚数を差し引く「U-22選手義務出場規定」が、2024年シーズンよりKリーグ1に限り一部緩和される。
これは2021年シーズンより交代枠が3人から5人に増加し、2024年シーズンからKリーグ1の控え選手数が従来の最大7人から最大9人に増加する状況を考慮した変更だ。
Kリーグの「U-22選手義務出場規定」は、2023年シーズンまで以下の方式で運営されていた。
△22歳以下の選手が先発出場しない場合:「交代枠2人」
△22歳以下の選手が1人だけ先発出場し、追加で交代出場がない場合:「交代枠3人」
△22歳以下の選手が2人以上先発出場するか、1人先発出場して1人交代出場した場合:「交代枠5人」
ただし、2024年シーズンからは以下の方式に変更となる。
△22歳以下の選手が出場しない場合:「交代枠3人」
△22歳以下の選手が1人先発出場し、追加で交代出場がない場合:「交代枠4人」
△22歳以下の選手が先発出場せず、途中交代で2人以上出場する場合:「交代枠4人」
△22歳以下の選手が2人以上先発出場するか、1人先発出場して1人交代出場した場合:「交代枠5人」
なお、Kリーグ2では現行の「U-22選手義務出場規定」が来季も維持される。
外国籍を保有するユース選手が、韓国国内のアマチュアチーム所属で一定期間以上活動した場合、Kリーグで新人選手として登録する際に該当選手を「国内選手」とみなす「ホームグロウン」制度が、2025年シーズンより導入されることになった。
具体的には、△満18歳になるまで、韓国サッカー協会に登録された韓国国内のアマチュアチーム所属で合計5年以上もしくは連続3年以上活動した選手が、△自身初のプロチームとしてKリーグのチームと契約し、新人選手登録をする場合、△その選手は「国内選手」とみなして外国籍選手枠から除外し、△新人選手登録後もKリーグ登録時には「国内選手」として認めるという内容だ。
この制度は2025年シーズンより施行される予定であり、施行初期にはチーム当たり1人ずつ枠を付与し、今後の拡大を検討する予定だ。
そのほか、累積警告、退場、懲戒などで出場停止状態の22歳以下の選手が世代別代表に招集される場合には、「U-22選手義務出場規定」の免除規定を適用しない注意規定を新設した。
また、悪天候や施設の問題でキックオフ直前に試合延期の決定をする必要がある場合、マッチコミッショナーが関係者の意見を総合的に考慮し、各30分ずつ2回のキックオフ延期の決定ができるという規定を新設した。
そのほか、プロ選手とユースチーム所属選手は年に1回、心肺蘇生法の教育を履修しなければならないという規定を新設した。
(文=ピッチコミュニケーションズ)
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