サッカー韓国代表キャプテンのFWソン・フンミン(31、トッテナム)が、代表率いるユルゲン・クリンスマン監督への批判について言及した。
韓国代表は9月8日(日本時間)、ウェールズのカーディフ・シティ・スタジアムで行われたウェールズ代表との国際親善試合で0-0と引き分けた。
クリンスマン監督はこの日、ソン・フンミンを筆頭に欧州組で前線の攻撃陣を固めたが、相手の密集した守備に苦戦した。前後半通じてシュートは合計4本のみで、ソン・フンミンが前半に放ったミドルシュートが唯一の枠内だった。
今回のドローにより、韓国代表はクリンスマン監督体制で就任後3分2敗の5試合未勝利を記録した。
クリンスマン監督をめぐっては、欧州遠征のため時差や長距離移動の負担が少ない欧州組を主に起用したにもかかわらず、これまでと変化のない戦術を展開した点で批判が相次いだ。
ソン・フンミンなど主力選手の個人技に依存しているという意味だ。
試合後、ミックスゾーンで本紙『スポーツソウル』など韓国メディアの取材に応じたソン・フンミンは、「遠征試合において簡単なことはほとんどない。ウェールズが5バックを敷き、我々もそれを認知して試合に臨んだ。ただ、このような試合でも学ぶ点は多い」とポジティブに振り返った。
また、「(クリンスマン監督体制は)まだ完璧ではない段階だ。一歩ずつ進んでいる。サッカーファンは完成した姿を期待している。僕らも上手くやりたいが、そのようなプレーを見せられず、選手たちも責任感を感じている」とし、「きっと良くなると思う。4年前のベント監督時代とは(序盤の)雰囲気が異なり、結果も異なるが、ひとまずは今後の大会が重要だ。少しずつ発展する姿を見せることが重要だと思う」と伝えた。
クリンスマン監督体制で戦った5試合については、「新しいことを試みていることは確かだ(3月には)4-4-2を試したし、今日は4-1-4-1で戦った。また、多くの選手が招集されてチャンスを得ている」とし、「監督は若い選手を好み、チャンスを与えているが、目の前の結果よりも過程を重視している」と述べた。
そして、「選手たちもこのような部分から、(代表内で)当然チャンスが来るわけではないということを感じてほしい。代表はすべての選手が夢見る場所だ。特別な感情を感じなければならない」と強調した。
クリンスマン監督は就任以降、韓国国内に70日も滞在せず、頻繁な海外出張や自宅のあるアメリカへの滞在を続けるなどし、韓国では「在宅勤務」や「外遊」などの表現で批判を浴びている。加えて不振な結果もあり、韓国の大衆的信頼は大きく落ちている。
これに対しソン・フンミンは、「僕も韓国人だ。代表で長くプレーしてきた人間としてファンの立場も理解できる。ただ、監督が無条件で正しいというわけでも、ファンが無条件で正しいというわけでもない」とし、「サッカーは変化し続けている。(監督が海外生活を通じて)現代サッカーのトレンドを韓国サッカーにどのように反映させるか勉強していると思う。僕もサッカーファンの考えには共感するが、監督にも考えがあるはずだ」と言うにとどめた。
今後、韓国代表は英ニューカッスルに移動し、来る13日にサウジアラビア代表と対戦する。
「負担が嫌で、耐えられないのであれば代表でプレーするレベルではないということだ。(サウジアラビアが)良い相手であることは明らかだ。カタールW杯で(アルゼンチン代表に勝利するなど)大異変を起こしたチームだ。しっかり準備しなければならない」と力を込めたソン・フンミンは、「9月の最後の試合で良い戦いを見せて勝利し、ファンの代表に対する疑念を少しでも払拭したい」と決意を伝えた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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◇ソン・フンミン プロフィール
1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けていた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。愛称は“Sonny(ソニー)”。
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