阪神タイガースから斗山(トゥサン)ベアーズに復帰したラウル・アルカンタラ(30)の好調ぶりを、チームを率いる元巨人のイ・スンヨプ監督が称賛している。
イ・スンヨプ監督は8月23日、ソウル高尺(コチョク)スカイドームでのキウム・ヒーローズ戦を控え、前日に7回3被安打、1四球、7奪三振の無失点と活躍したアルカンタラについて、「もっと早く交代しようとしていたが、(本人が)大丈夫だと言った。“自分でイニングを終わらせる”と話した。本当に我々にとって幸運のような選手だ。練習態度や誠実さの部分でも本当に素晴らしい。真の意味でチームの一員だと感じる」と絶賛した。
指揮官が絶賛するのも決しておかしくはない。
前日の試合まで、アルカンタラは23試合(145.1回)に登板して11勝5敗、防御率2.23を記録した。リーグ最多イニングを消化しており、投手WAR(代替選手比貢献度)5.09で同部門1位に上がった。
20勝2敗の防御率2.54と大活躍した2020年もWAR 8.33でトップに立ったが、当時の姿をそのまま再現している。
イ・スンヨプ監督は「この程度の成績であれば十分だ。コンディションを崩さず、ローテーションさえ回ってくれれば良い成績を補償できる選手だ。体調管理をしっかりして、シーズン最後まで今のパフォーマンスを維持してほしい」と、アルカンタラのフル稼働を期待した。
指揮官だからこそ感じ取れる部分もある。現役時代、千葉ロッテマリーンズ、読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズに在籍したイ・スンヨプ監督と同じように、アルカンタラも韓国と日本の野球を経験した。
イ・スンヨプ監督に「日本での経験が、今のアルカンタラに良く作用した部分があると思うか?」と質問すると、「ひとまず、日本でたくさん苦労をして斗山に帰ってきた。苦労したが、実際、韓国野球が面白い。日本のように硬い雰囲気ではなく、柔和な雰囲気でもっと楽しく野球をしているのではないかと思う。それ以前にも韓国でプレーしていたので、異邦人と言うよりは、元々自分がいたチームでリラックスした雰囲気でプレーしているのではないかと思う」との答えが返ってきた。
とりわけ起伏の激しいシーズンを送る斗山だ。ここ最近の流れだけを見ても、5連敗後に3連勝を挙げている。勝率5割を行き来しながら5位に位置しているが、起伏を減らして上昇の勢いを維持することができれば、少なくとも4位まで狙うことができる。
日本から韓国に復帰し、リーグ屈指の好投を続けるアルカンタラに今後も注目だ。
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