サッカー韓国女子代表“黄金世代”のラストダンスの舞台が幕を上げる。
7月20日(日本時間)に開幕したオーストラリア&ニュージーランド女子W杯。コリン・ベル監督率いる韓国は、来る25日11時よりシドニー・フットボール・スタジアムでコロンビアとのグループステージ初戦を戦う。
グループHに入った韓国は、コロンビア戦以降は30日13時30分よりアデレードのハインドマーシュ・スタジアムでモロッコ、8月3日19時よりブリスベン・スタジアムでドイツと対戦する。
去る10日に出国し、ベースキャンプで最終調整を行っている韓国は、“黄金世代”が主軸となって好成績を目指している。
“黄金世代”はかつて韓国に女子サッカーのブームを巻き起こした。
1984年10月生まれで韓国女子選手のW杯最年長出場記録(38歳9カ月)を打ち立てたGKキム・ジョンミ(38、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)をはじめ、MFチョ・ソヒョン(35、トッテナム)やMFチ・ソヨン(32、水原FCウィメン)、DFキム・ヘリ(33、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、DFイム・ソンジュ(32、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)など、1980年代後半から1990年代前半の選手が“黄金世代”の中心にいる。
彼女らは世代別代表から着実に国際舞台での経験を積み上げ、「センチュリークラブ(Aマッチ100試合以上出場)」に加入した選手たちだ。
今回の女子W杯に出場する韓国のメンバーの大半が、2015年カナダ大会と2019年フランス大会を経験した。
カナダ大会ではグループステージを1勝1分1敗で2位通過し、史上初のベスト16入りを果たしたが、直前のフランス大会ではグループステージ3戦全敗で決勝トーナメント進出に失敗した。
そのため、今大会ではさらに高い成績を出したいという思いが強い。
韓国の中核を担うのはチ・ソヨンだ。
かつてINAC神戸レオネッサでなでしこリーグ3連覇(2011~2013年)を達成し、イングランドのチェルシーFCウィメンでも背番号10番を着けて活躍したチ・ソヨンは、今大会が事実上最後のW杯となる可能性が高い。
昨年4月にチェルシーを退団し、プロデビュー後初めて韓国WKリーグに参戦した理由もW杯にあった。
これまで直近2大会のW杯に出場したチ・ソヨンは、今回初めて韓国国内でW杯を準備した。チェルシー時代は長距離移動による“疲労感”とも闘ってきたが、今大会はその変数を遮断することができた。
昨年末には慢性的に苦しんできた足首も手術し、W杯に出場する準備を終えた。
W杯壮行セレモニー当時、チ・ソヨンは「3度目のW杯だ。これまでの大会より過程が良いと思う。(カタールW杯では)モロッコがベスト4に進むとはほとんどの人が予想できなかった。いつも大きな大会では異変を起こすチームが現れる。今回は韓国であってほしい」と伝えた。
絶対的エースのチ・ソヨンだけでなく、長年代表で息を合わせてきたチョ・ソヒョンとキム・ヘリも心強い存在となる見通しだ。
また、ベル監督体制で7年ぶりに代表復帰を果たしたFWパク・ウンソン(36、ソウル市庁)も確固たるオプションとして位置づけられ、期待感を増幅させている。
パク・ウンソンは韓国がW杯初出場した2003年アメリカ大会と、決勝トーナメントに進出した2015年カナダ大会に出場したことがある。
182cmの高身長と優れたフィジカルで空中戦に強さを見せる彼女は、4月に行われたザンビアとの親善試合で2試合3ゴールを決めるなど、年齢を感じさせない得点力を見せつけている。
そして、“黄金世代”の後を継ぐ新世代たちにも期待したい。
MFイ・ヨンジュ(31、マドリードCFF)、DFチャン・スルギ(29、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、FWイ・グムミン(29、ブライトン)、FWチェ・ユリ(28、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、FWソン・ファヨン(26、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、FWカン・チェリム(25、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、DFチュ・ヒョージュ(22、水原FCウィメン)、FWチョン・ガラム(20、華川KSPO)、MFペ・イェビン(18、威徳大学)らがその中心だ。
また、2007年生まれの大会最年少選手で、アメリカ人の父親を持ちハーフ選手として韓国女子サッカー史上初めて代表に選ばれたFWケイシー・ユジン・フェア(16、プレイヤーズ・ディベロップメント・アカデミー)も注目すべき新星だ。
今回のW杯最終エントリー23人のうち、過去にW杯を経験した選手は過半数の14人だ。
宿命のライバルであるなでしこジャパン(日本女子代表)は、去る22日のグループ初戦でザンビア相手に5-0の大勝を収めた。
韓国も経験豊富な“お姉さん”たちと勢いのある“妹”たちによる新旧調和で、どれだけの好成績を収められるかを見守りたい。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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