「戦力分析チームから送られてきた相手国の映像を注意深く観察している。それでも実際に接するものとは違う。大会を始めると、体で感じて瞬間的に対応したほうが成功の確率が高まる。本番で五感を集中することが重要だ」と強調した。
映像で見る姿と直接確認するのでは違いが大きい。スタンスやスイングなどはボール配給に大きな影響を与える。データや映像がすべてなら、KBOリーグに進出する外国人選手は皆、成功するだろう。確かな技術と実績があるからだ。
ただ、実際にはそうはいかない。呼吸や目の動きなどもプレーに直結するだけに、細密に相手を分析して丸裸にしたほうが有利だ。
もちろん数字が無用の長物という意味ではない。
キム・グァンヒョンは「ホット・ゾーンがどこなのか、2ストライク後でも積極的にスイングするクセがあるなど、打者の基本情報は知っておかなければならない。2ストライク後に誘い球を投げるか、正面勝負するかを決めて配球しなければならない」と説明した。
選手の性向と関連したデータは、互いに牌を出し合って対決するレギュラーシーズンの時より、国際大会でより緊要に活用される。
これらがベースにあるなかで、キム監督の直感が試合の流れを左右する。
キム監督は2008年北京五輪時、左腕投手に左打者を代打に起用した場面で世界を驚かせた。結果的に成功したことで「名将」になったが、この場面について「ヒヤッとする」と表現する野球人が多かった。
しかし、キム監督は「あの当時は代打で送り出したキム・ヒョンスの勢い、スイングを見ると、相手投手に対してむしろ強みがあるような気がした」と振り返っている。それなりの根拠と確信を持って代打を投入したということだ。
言葉では説明できないが、キム監督だけの「目」と「直感」は、国際大会で発生しうるさまざまな変数を相当部分で削除する。
プレミア12は韓国野球の再躍進のため非常に重要な大会だ。日本は最精鋭メンバーを組んで臨んでいるだけに、韓国としては2020東京五輪を控えてディフェンディングチャンピオンであることを証明できる機会だ。
キム監督の「感」が改めて注目される。