「退社は覚悟している」パナソニック伊賀亮平が韓国Vリーグのアジア枠トライアウトに挑戦する理由

韓国プロバレーVリーグ男子部のアジア枠トライアウトで最大の注目株の一人とされる日本人リベロの伊賀亮平(28)の声からは、自信がにじみ出ていた。

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韓国バレーボール連盟(KOVO)は4月25日から本日(27日)までにかけての3日間、済州島(チェジュド)で「2023KOVO男子アジア枠トライアウト」を開催している。

初日目の25日はメディカルチェックや身体検査をした後、国軍体育部隊(尚武)と練習試合を行った。

2日目の26日は、Vリーグ男子部全7チームの監督と選手間の面談が約2時間行われ、前日と同様に練習試合も行った。

「韓国リーグで長く生活したい」

アウトサイドヒッターやオポジットスパイカーなど、数人のアタッカーが各監督の注目を集めるなか、リベロの伊賀はやはり有力な指名選手の一人だ。リベロの即戦力を求める2チームが伊賀に注目している。

(写真提供=KOVO)伊賀亮平

練習試合後、報道陣の取材に応じた伊賀は、「100%のパフォーマンスを発揮できたと思う」とし、「選ばれることになれば、日本の職場を辞めて韓国でプレーする予定だ。覚悟して挑戦した」と、韓国Vリーグへの固い意志を示した。

伊賀獲得を望む2つのチームは、「聞いていた通り基本技術が良い。レシーブ、ディグ以外に二段トスなど付随的なプレーも優れている」と口を揃えた。それだけ技量を持ち合わせた選手というわけだ。

レシーブかディグか、2つのなかで最も自信のあるプレーを挙げてほしいという質問に、伊賀は「2つのうち1つしか選べませんか?」と返し自信を示した。それとともに、「比較してどちらが良いとは言えない」と笑顔を見せた。

リベロは守備の重心を取らなければならないポジションだ。それだけに選手間のコミュニケーションが特に重要となるが、伊賀はこの部分でも自信に満ちていた。

「日本の所属チームにも外国人選手がいた」という伊賀は、「英語でコミュニケーションはできる。地道に勉強していく予定だ」と自信をアピールした。

そして、「リベロはチームプレーを重要視しなければならない。コミュニケーションを通じて、ほかの選手たちを動かすことができてこそ良いリベロだ」と伝えた。

(写真提供=KOVO)伊賀亮平

大韓航空ジャンボスを率いるトミー・ティリカイネン監督は、韓国に渡る前に日本で豊田合成トレフェルサ(現・ウルフドッグス名古屋)を率いていた指揮官だ。

伊賀は「トミー監督はよく知っている。日本では接点がなく、話をしたことがなかったが、ここに来て“頑張れ”と言葉をもらった」と語った。

伊賀は日本のVリーグのパナソニックパンサーズに所属している。ただ、今回のアジア枠ドラフトで指名を受け、韓国Vリーグでプレーすることになれば、年俸は約2倍近く引き上がる。

アジア枠の選手はいずれも、年俸10万ドル(税込/日本円=約1336万円)を受け取ることができるからだ。

「退社は覚悟して挑戦状を突きつけた」と力を込めた伊賀は、「韓国リーグで長く生活したい考えもある。海外に出たい熱望がある」と、韓国Vリーグ参戦への意志を示した。

(写真提供=KOVO)伊賀亮平

アジア枠の最終ドラフトは本日(27日)、済州サンホテルで行われる。

選手選抜はチーム間の公正性確立のため、チーム当たり同じ7分の1の確率で一人を選ぶことができる。

韓国Vリーグ挑戦に意欲を見せる伊賀は、はたしてどのチームに加入することになるだろうか。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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