厚いジャンパーを着てウォーミングアップに突入したにもかかわらず、ナイフのような冷たい風で体が固まってしまった。
スプリングキャンプは投手のための時間だとよく言われる。コンディショニングに敏感な投手がより良い環境で実戦を準備する場所が求められ、それで寒い日を避けて暖かい所に発つ。
しかし、ツーソンでなかった。異常気温によって夜明けに雪が降り、朝氷が凍った。朝運転するとタイヤの空気圧が足りないと警告音も鳴った。
2月15日、オーストラリア、グアム、沖縄などから集まって招集された代表チームの選手たちは、球団キャンプよりも劣る環境にため息をついた。
オーストラリア・キャンプからアリゾナにやってきた斗山(トゥサン)ベアーズの選手たちの場合、20度以上の温度があるオーストラリアから氷点下3度まで落ちる砂漠でボールを投げなければならなかった。
準備が順調なはずがなかった。ブルペンピッチングの姿だけを見ても、投手の大多数が正常コンディションではなかった。
その結果、ツーソンでの韓国球団との強化試合は予想通りうまく行かなった。正常な球威と制球力を示す投手は極めて少なかった。実戦を通じてペースを上げなければならないはずなのに、当初5回に予定されていた強化試合も天候によって4回になってしまった。
韓国帰国後も、WBC本大会が開かれる日本でも投手のペースは上がってこなかった。
その結果がオーストラリア戦7-8の敗北、韓日戦4-13の惨敗だ。オーストラリア戦で投手7人、日本戦では投手10人を投入したが、2試合のチーム平均自責点が11.12となっている。
これでは勝てないし、プロ野球選手同士の試合とも言えないだろう。
監督は戸惑い、誤った判断をした。
リードを握った後、投手交代でミスを犯した。オーストラリア戦ではソ・ヒョンジュンの投入が失敗につながり、韓日戦では先発したキム・グァンヒョンの交代タイミングを逃した。 後がない勝負の中でゲームプランと試合運営の両方が乱れた。
韓国代表の投手陣は「豊かだが貧困」だった。「打者3名義務化」というWBC規定が残忍に迫ってきた。韓日戦は見ているだけで拷問だった。
誰かはうまく投げることを望んだ。キャンプ期間中、監督は「結局、よく投げる投手数人を着実に使わなければならないのではないか」とし、投手15人の中から救援者が出ることを期待した。
しかし、反転はなかった。誤った過程で良い結果が出るはずもなかった。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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