欧州で「戦力外」となった元G大阪ファン・ウィジョは、韓国で復活を果たすことができるのか

というのも、国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、選手は1シーズンで最大3チームまで選手登録ができるものの、公式戦出場ができるのは2チームのみと定められているからだ。

ただ、秋春制の欧州と日程が異なるリーグであればプレーが可能なため、自然に春秋制でシーズンを実施するリーグから関心が集まった。韓国Kリーグのほか、米メジャーリーグサッカー(MLS)、さらにはかつてガンバ大阪時代に経験した日本のJリーグなどがそれだ。

そのなかで、FCソウルは最も積極的にファン・ウィジョと接触したチームだった。

ファン・ウィジョは空港で報道陣の取材に応じた際、「アメリカなど複数からオファーがあったのは事実です。たくさん悩みました。しかし、(慣れたKリーグにいる)FCソウルに来ることが、再び欧州に出て良い姿を見せるきっかけになると考えました」と伝えた。

ファン・ウィジョ

Kリーグ復帰に際し、昨年に自身のようにFCソウルで短期レンタル生活を過ごしたオリンピアコスの同僚MFファン・インボム(26)に助言を求めた。ファン・インボムは昨年、ロシアのウクライナ侵攻の影響でプレーの場を探していた当時、FCソウルに3カ月間という短期契約でレンタル加入し、現在のオリンピアコスを通じて欧州に再進出した経緯がある。

また、セルティックやプレミアリーグで活躍した欧州組の先輩であり、現在はFCソウルで選手生活の黄昏期を過ごすMFキ・ソンヨン(34)が、ファン・ウィジョに先に電話をかけてきたという。「ソンヨンさんが(自分のような状況で)経験した部分や感じた点を話してくれました。機会があればFCソウルに来てほしいと言っていました」と彼は笑う。

キ・ソンヨンは、ファン・ウィジョが欧州でのキャリアに問題が生じただけに、無理にまた別の海外リーグに挑戦するより、韓国国内で安定した生活を送りながら、徐々にフォームを引き上げることを望んだ。

加えて、現在のFCソウルを率いるのは、ファン・ウィジョが2013年に城南一和天馬(ソンナム・イルファ・チョンマ/現・城南FC)でプロデビューした当時に指揮を執ったアン・イクス監督だ。

5日にFCソウルが公開した映像を見ると、アン監督は久しぶりに再会したファン・ウィジョを見て心から喜んでいる様子だった。「ルーキー時代を思い出しました。6カ月間、ルーキーの気持ちでプレーしなければならないと思っています」とファン・ウィジョは話した。

ファン・ウィジョが背負う責任

ファン・ウィジョと名誉回復を狙うFCソウル、そしてアン監督の三者は、それぞれが「Win-Win-Win」の関係となれるだろうか。

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