かつてガンバ大阪で活躍した韓国代表FWファン・ウィジョ(30、オリンピアコス)が、Kリーグ1(1部)のFCソウルに加入する。
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今冬の移籍市場で去就が注目されていたファン・ウィジョが、最終的に国内復帰を選択した。
ファン・ウィジョは昨年夏、3シーズン在籍したボルドー(フランス2部)を離れた。チームが2部降格となったため、新たなチームを求めたのだ。
移籍交渉は難航したが、最終的にイングランド・プレミアリーグのノッティンガム・フォレストへの加入が決まった。ただ、同時にギリシャのオリンピアコスへのレンタル移籍が発表された。
しかし、ファン・ウィジョは現在、オリンピアコスでまったくと言って良いほど出場機会を得られていない。
ファン・ウィジョはこの約半年間、ほとんどの試合でメンバー外と、ベンチにも入れない状況が続いている。
リーグ戦は昨年10月の途中出場を最後にわずか5試合のみのプレーにとどまり、ほかではUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ6試合出場、国内カップ戦1試合出場のみとなっている。
所属チームでの不振は代表にも影響した。
パウロ・ベント前監督体制で不動のストライカーにあったファン・ウィジョは、2022年カタールW杯でFWチョ・ギュソン(25、全北現代モータース)に主力の座を奪われ、全4試合出場も先発わずか1回、無得点という結果に終わった。
カタールW杯終了後も状況は好転しなかった。そして最近、オリンピアコスとの契約を解除した。
ただ、今シーズンは欧州でプレーできないため、ファン・ウィジョの選択肢も自然と狭まった。Jリーグはもちろん、米メジャーリーグサッカー(MLS)からもラブコールはあったが、本人はKリーグを選んだ。FCソウルはレンタルでファン・ウィジョを迎え入れると伝えらえている。
ファン・ウィジョとしてはガンバ大阪移籍以前に在籍した城南(ソンナム)FC以来、約6年ぶりのKリーグ復帰となる。
FCソウルも継続的にファン・ウィジョへの関心を示してきた。クラブは昨年、ロシアのウクライナ侵攻の影響でプレーの場を探していた韓国代表MFファン・インボム(26、オリンピアコス)に手を差し伸べ、3カ月間という短期契約を結んだことがある。
仮にファン・ウィジョがFCソウルでプレーするとなれば、最前線でFWスタニスラフ・イリュチェンコ(32)との共存を模索しなければならない。
昨年夏に全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースからFCソウルに加入したイリュチェンコは、加入後16試合で7ゴール1アシストを記録した。
ファン・ウィジョとイリュチェンコのプレースタイルは多少異なる。
イリュチェンコは裏への抜け出しよりも、前線でのボールキープや得点力に優れたFWだ。一方、ファン・ウィジョは正統派ストライカーというより、スペースへの侵入や連係プレーに長けている。
ちなみに、FCソウルには元FC東京のMFナ・サンホ(26)、元セレッソ大阪のスペイン人MFオスマル(34)といったJリーグ経験者のほか、MFキ・ソンヨン(34)、FWチ・ドンウォン(31)といった元韓国代表も在籍している。
Kリーグ1の開幕は2月25日。FCソウルは同日、ホームのソウルワールドカップ競技場で仁川(インチョン)ユナイテッドと対戦する。
FCソウルは開幕に先立ち、今月6日から2週間、日本の鹿児島で2次キャンプを行う。ファン・ウィジョは鹿児島キャンプでチームに合流する見通しとされている。
シーズン開幕まで残り20日ほど。はたしてファン・ウィジョとイリュチェンコの共存は可能なのか、日本で2次キャンプを実施するFCソウルにとって最大の課題となりそうだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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