2013年大会ではリュ・ジュンイル監督が指揮を執ったが、1次ラウンド初戦でオランダに0-5で敗れたのが足を引っ張った。結局、オランダ、チャイニーズ・タイペイとともに2勝1敗の同率で並ぶも、得失点差により2次ラウンド進出に失敗した。
そこで韓国野球委員会(KBO)は、2017年大会に向けてキム・インシク監督を再招へいするも、結果はWBC史上最悪の成績に終わった。自国の高尺(コチョク)スカイドームで行われた1次ラウンドでイスラエル、オランダに連敗し、1勝2敗で敗退。2大会連続で日本の待つ2次ラウンドに進めない屈辱を味わった。
“オレンジ軍団”の愛称で親しまれるサッカー代表で有名なオランダが、欧州において野球強豪国に挙げられる理由は、カリブ海のオランダ領国家のためだ。
カリブ海のキュラソー、アルバなどがそうだ。ケンリー・ジャンセン(35、ボストン・レッドソックス)、オジー・アルビーズ(26、アトランタ・ブレーブス)らはキュラソー出身。ザンダー・ボガーツ(30、サンディエゴ・パドレス)はアルバ出身だ。オランダは今大会でチャイニーズ・タイペイ、キューバ、イタリア、パナマらと同じプールAに入っている。
2023年WBCでも韓国のベスト4進出、アメリカ行きチケットの確保は容易ではない。プールBで日本とともに2次ラウンド進出を果たせたとしても、そこから上位2チームしかアメリカ開催の準決勝には進めない。
プールAから2次ラウンド進出が有力なキューバやチャイニーズ・タイペイ、パナマらを抜いて上位2チームに入れる保証はない。パナマもメジャーリーグ出身者を多数擁している。
では、なぜ2006年大会と2009年大会ではやや容易にベスト4進出を果たせた韓国が、近年は1次ラウンド突破すらも難しくなっているのだろうか。
韓国の戦力が弱まり、他国が強くなったためだろうか。すべてのイシューは複合的だ。単純な問題ではない。ただ、さまざまな理由があるなかで「大会前の練習日程」を欠かすことはできない。
WBCは各国のプロリーグが開幕する前に行われる。そのため、どの国も現時点でどれだけフォームを引き上げられるかがカギを握る。
長期レースの野球では、時間が経ってこそ本来の実力を発揮できるのが基本だ。シーズン序盤に“投高打低”の現象が現れる理由も、投手が打者よりペースが速いためだ。
現在、韓国KBOリーグの選手たちはチームトレーニングが2月1日から始まる。選手協議会が強く主張し、各球団が受け入れ、2017年から施行された。
それまで、2009年から2015年までは1月16日が開始日だった。つまり、2006年大会と2009年大会では選手たちが1月からチーム練習が可能だったのだ。早くから練習を始めたことで、韓国のペースがアメリカや中南米諸国を上回っていた。
名前だけ聞いても恐怖が先走ったメジャーリーガー主体のアメリカを制圧できた要因も、早いペースが一役買ったのだ。メジャーリーグでは通常、2月中旬から春季キャンプが始まる。
韓国は客観的に見て、アメリカや中南米の選手と比較してパワーや球速などで劣る。代表の層も薄い方だ。だからこそ、これを補完して飛び越えることができたのがチーム練習だった。
野球韓国代表のベスト4進出が、サッカー韓国代表のW杯ベスト16入りのように難しくなった背景だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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