女子バレー日韓戦!!「最精鋭にして完全体」という韓国はどんなチームなのか?

というのも、今年2月に韓国女子バレー史上初の外国人監督として招聘されたイタリア出身のステファーノ・ラバリニ監督だが、彼女らベストメンバーが揃うことはなかった。

ラバリニ監督体制の初陣となったネイションズリーグではイ・ジェヨン、パク・ジョンアだけではなく、センターのヤン・ヒョンジン、リベロのキム・ヘランなどが手術やリハビリがあって合流できなかった。韓国はネイションズリーグを3勝12敗、15位に終わっている。

また、8月に行われた東京五輪・世界予選では、ラバリニ監督体制下で主力セッターに成長したイ・ダヨンをケガで欠いたことが響いてロシアに競り負け、オリンピック出場権を逃した。

8月下旬にソウルで行われたアジア選手権でもイ・ダヨンらを欠き、まさかの3位に終わっている。

それも準決勝では若手中心の日本に逆転負けを喫し、エースのキム・ヨンギョンがうっすらと悔し涙を浮かべながら、「日本戦で負けた後、みんなが悔しがった。それでもチームを変えていく過程だから見守ってほしい」と嘆願したほどだった。

女子バレー韓国代表のエース、キム・ヨンギョン

ラバリニ監督は就任時から、キム・ヨンギョン頼みのワンマンチームから全員参加のスピードバレーをチーム全体に求め、さまざまな選手を試しているが、女子バレー韓国代表はまさに過渡期の苦しみを味わってきた。

美女スパイカーは完全復活するか

それだけに今回のワールドカップのかける意気込みも並々ならぬものがある。チームはアジア選手権後に小休止を挟み、9月1日から韓国・鎮川(チェチョン)のナショナルトレーニングセンターで合宿を続けてきた。

ただ、前出した通り、中国には1セットも奪えず0-3で完敗し、ドミニカ共和国には1-3で敗れている。

韓国メディアの多くは、大会前から指摘されてきた不安定なレシーブや大事な局面でミスを連発する“ツメの甘さ”を指摘しているが、今日の日韓戦で個人的に注目しているのは、直近の合宿からチームに合流したパク・ジョンアだ。

昨年の世界選手権でチーム最多得点を記録し、キム・ヨンギョンに次ぐエース格に浮上するも、今年4月に左足首の手術をしたパク・ジョンアは、今回のワールドカップで初めてラバリニ監督体制下でプレーしている。

中国戦では1得点にとどまったが、ドミニカ共和国戦では3回のサービスエースを含む8得点を挙げている。徐々に覚醒しつつあるこのパク・ジョンアに加え、同じくライトのキム・フィジンがドミニカ共和国戦で20得点を叩き出すなど、エースのキム・ヨンギョン以外にも計算できる選手が出てきている。

 

パク・ジョンア

「キム・ヨンギョン依存度からの脱出」(『SPOTV NEWS』)こそが韓国女子バレーの長年の課題とされ、ラバリニ監督体制発足後もそれを目指してさまざまな模索が続いている韓国だが、パク・ジョンアやイ・フィジン、さらには前出したイ・ジェヨンなどは日本も警戒が必要になってくるだろう。

いずれにしても女子バレー日韓戦は今年、ネイションズリーグとアジア選手権で2度対戦しており1勝1敗と互角だが、今回の韓国は“最精鋭”にして“完全体”のチームだ。まして日韓戦となるといつも以上の集中力と執念を燃やすのが韓国スポーツ界でもある。

今日の試合も白熱した“宿命ライバル対決”になる予感がする。

(文=慎 武宏)

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