この試合でソン・フンミンは先発出場。イングランド代表FWハリー・ケイン(29)、ブラジル代表FWリシャルリソン(25)とともに前線で3トップを組み、90分フル出場したが、ゴールを生み出すことはできなかった。
チーム全体で細密なプレーが足りず、ペナルティエリア付近では選手間の連携にズレが見られた。
特に、前後半終盤には決定的チャンスを何度も迎えたが、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。
ソン・フンミンは前半40分、ペナルティエリア正面でケインのヒールパスから右足でシュートを放つも枠を外れた。後半38分にはイングランド人MFライアン・セセニョン(22)のクロスからゴールを狙ったが、こちらも枠を捉えられなかった。
試合後、ミックスゾーンで取材に応じたソン・フンミンは、「残念だ。チャンスが多かったし、試合に勝つ資格はあったと思うが、決定的なチャンスはもちろん、最後のパスを決める選択の部分で残念さが残る。僕だけでなく選手全員がそう思ったはずだ」と感想を伝えた。
アントニオ・コンテ監督の就任以降、ソン・フンミンはスペースを突いて内側に入る約束されたプレーが頻繁にみられている。
これについては「状況によってスペースを探し、そこを突こうと努力している。状況ごとに、試合ごとに変化を与えている。スペースを作ることはもちろん、スペースを探して突くことも選手の役目だ。そこは適応している」と説明した。
試合終了直後にはチームメイトと集まり話を交わす姿が印象的だった。
「試合が終わると、毎回惜しかった場面が真っ先に思い浮かぶものだ。僕自身にも足りない部分があった。もっと良い決定を下さなければならなかった。残念だ」と語ったソン・フンミンは、「もっと発展しなければならない部分だし、選手たちともコミュニケーションをしながら、解決していかなければならない問題だと思っている」と前を向いた。
◇ソン・フンミン プロフィール
1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けていた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。愛称は“Sonny(ソニー)”。