DFクォン・ギョンウォン(30、ガンバ大阪)のアンカー起用は失敗だった。
パウロ・ベント監督率いる韓国代表は、7月27日に豊田スタジアムで行われたE-1サッカー選手権の最終戦で、日本代表に0-3で敗れた。
後半4分のMF相馬勇紀(25、名古屋グランパス)の先制点を皮切りに、同18分にDF佐々木翔(32、サンフレッチェ広島)、同27分にFW町野修斗(22、湘南ベルマーレ)のゴールを許し、なすすべもなく崩れた。
ベント監督はこの試合で、クォン・ギョンウォンを守備的MFで起用する変則的な作戦を持ち出した。
4バックを左からDFキム・ジンス(30、全北現代モータース)、DFパク・ジス(28、金泉尚武)、DFチョ・ユミン(25、大田ハナシチズン)、DFキム・ムンファン(26、全北現代モータース)と並べ、その一列前に配置したクォン・ギョンウォンが、MFクォン・チャンフン(28、金泉尚武)、MFキム・ジンギュ(25、全北現代モータース)の中盤を補佐するという戦術だった。
結果は大失敗だった。
クォン・ギョンウォンは不慣れなポジションで、守備的MFの役割を果たせなかった。
ベント監督体制の韓国代表において、守備的MFは後方の4バックを保護する役割だけでなく、2列目や前線、サイドにパスを散らす役割も果たさなければならない。
しかし、後方からのビルドアップの起点となるべきGKチョ・ヒョヌ(30、蔚山現代)、パク・ジスがパスミスを乱発したことで、クォン・ギョンウォンも一緒に動揺してしまった。
ボールを保持している状況でも、自陣で簡単に奪われ、ロストし、前線にまともにパスを送れない状況に陥った。
クォン・ギョンウォンは2失点目のコーナーキックで、まともにジャンプして競り合うことなく、佐々木のヘディングシュートを許した。むしろ、自分がファウルを受けたかのように主審にアピールするなど、失点の口実も提供していた。
結局、ベント監督は後半23分、パク・ジスに代えてFWチョ・ヨンウク(23、FCソウル)を投入し、クォン・ギョンウォンを本来のセンターバックに配置した。事実上、戦術の実験に失敗したことを認めた交代だった。
今回のE-1選手権に大きな意味を見出すことは難しい。韓国代表の主力の大半は、欧州などの海外リーグでプレーしている。そのため、今大会は来る11月のカタールW杯本大会に向けて、国内組のパフォーマンスをチェックすることに意味があった。結果自体をあまり気にする必要はない。
ただ、中盤の選手をベンチに追いやり、わざわざセンターバックの選手を一列上げる無意味な実験で、意味のあるテストの機会すら逃してしまった点は残念だ。
後半終盤に投入されたMFキム・ドンヒョン(25、江原FC)を、仮に開始から使っていれば、新戦力を試すと同時に結果まで得られたのではないだろうか。
すべて結果を受けての批判であり、ただの「たられば」に過ぎないとはいえ、ベント監督の安易な姿勢には厳しく指摘せざるを得ない。
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