蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)の独走か、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースの追撃か。
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アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの日程により、韓国Kリーグ1(1部)は4月9~10日開催の第9節を最後に、来る5月5日の再開まで休息期間に突入した。
休息期間以降の本格的な順位争いが予想されるなか、開幕から絶好調の蔚山現代が独走態勢を維持するのか、Kリーグ1前人未到の6連覇に挑む全北現代が猛追するのか、両チームの行方に注目が集まっている。
蔚山現代は開幕以降、7勝2分で勝ち点23を記録し、リーグ戦で唯一無敗を貫いて首位を走っている。2位の仁川(インチョン)ユナイテッド(勝ち点18)とは5ポイント差を離している。
昨季までの3シーズンでは大規模な選手補強を通じてチーム力を強化し、全北現代と熾烈な優勝争いを繰り広げてきた蔚山現代だが、いずれも終盤に追撃を許して準優勝に終わった。
それだけに、ホン・ミョンボ監督体制2年目の今季は、七転八起ならぬ“三転四起”の精神で「打倒・全北現代」を叫んでいる。
特に、蔚山現代は今季開幕前に主力が相次いで海外に進出した。シャルケにレンタル移籍したMFイ・ドンギョン(24)、ヘルタ・ベルリンに完全移籍したFWイ・ドンジュン(25)、清水エスパルスに完全移籍したFWオ・セフン(23)の3人がその最たる例だ。
それでも、新戦力として補強したブラジル人FWレオナルド(24)、元日本代表MF天野純(30)、韓国代表FWオム・ウォンサン(23)が、上記3人の空白をまったく感じさせない活躍を見せている。
何より、天野とオム・ウォンサンがチーム最多の各4ゴールを記録しているほか、レオナルドも3ゴールをマークしており、3人がチーム総得点数(15ゴール)の70%以上を占めている。
前線のみならず、DFラインには昨季までガンバ大阪に在籍した韓国代表DFキム・ヨングォン(32)が加わったことで、さらに質の高いビルドアップが可能となった。
蔚山現代は攻守で変化に富んだ戦術を駆使し、リーグ最多の総得点数(15ゴール)、リーグ最少の総失点数(5失点)と圧巻の強さを誇っている。
一方、リーグ戦5連覇で確固たる“優勝DNA”がチーム全体に染み付いた全北現代も、シーズン序盤の低迷を乗り越えて巻き返しを図っている。
全北現代は開幕戦で水原(スウォン)FCに勝利した後、3連敗を含む5試合連続未勝利(2分3敗)という大不振に陥った。それでも、直近3試合で全勝を収めたことで、一時12チーム中11位まで沈んだ順位を、今では4位(勝ち点14、4勝2分3敗)にまで引き上げた。
チームにとって好材料なのは、序盤にノーゴールが続いていた外国人選手の得点感覚がよみがえったことだ。
ACL前最後に行われた9日の城南(ソンナム)FC戦では、先発出場のブラジル人FWグスタヴォ(28)がPKで先制ゴールを奪取。すると、前半途中出場のガンビア代表MFモドゥ・バーロウ(29)がチーム2点目のゴールを決め、後半41分から投入されたロシア人FWスタニスラフ・イリュチェンコは出場わずか10分足らずで2ゴールをマークした。
外国人選手以外にも、シーズン開幕後の3月中旬に新加入した韓国代表MFキム・ジンギュ(25)は早くもチームにフィットしており、全北現代はキム・ジンギュ加入以降の4試合で無敗(3勝1分)と復調した。
2020年から今季で加入3年目を迎える日本人MF邦本宜裕(24)も、着実に先発で出場機会を得ており、4月2日の第9節江原(カンウォン)FC戦では今季初アシストも記録した。
振り返ると、全北現代は昨季のシーズン中盤にも不振に陥り、7試合未勝利(4分3敗)と苦しんだ時期もあった。一時は4位にまで順位を下げたが、後半戦に驚異の追い上げを見せ、最終的に5連覇を達成した。
蔚山現代と全北現代による本格的な順位争いは、ACLグループステージ終了以降から本格的に始動するはずだ。
なお、そのACLグループステージで、蔚山現代は川崎フロンターレ(日本)、広州FC(中国)、ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と同じグループI。全北現代は横浜F・マリノス(日本)、シドニーFC(オーストラリア)、ホアンアイン・ザライFC(ベトナム)と同じグループHを戦う。
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