手を怪我させられ、自ら得た決勝進出の資格まで強奪されたが、北京冬季五輪に出場する韓国選手は崩れない。ショートトラック韓国代表が、中国のとんでもない“不公正判定”を乗り越えるという覚悟で、残りの競技に臨む。
【写真】中国選手のブレードが左手に…韓国選手が「11針」の負傷
韓国代表は、2月9日の男子1500m準々決勝を皮切りに、力強いレースを再開する。過去最悪レベルの氷質に、露骨な牽制まで続くが、韓国代表はチーム一丸となって壁を越える態勢だ。
笑い飛ばすには、あまりに傷が深すぎた。
パク・ジャンヒョクは2月7日に行われたショートトラック男子1000m準々決勝で、イタリア選手と衝突し、転倒後についてきた中国選手のスケートエッジに左手を踏まれた。激しい苦痛を訴えたパク・ジャンヒョクは最終的にレースをあきらめ、アドバンテージを得ても準決勝に進めなかった。
2月8日には取材陣に対し、「自分が夢見ていた舞台に苦労して上がってきたが、（仲間の競技を見ながら）これを見るためにスケートをしてきたのかと懐疑的だった」と語った。スケートの刃に裂かれた手は11針も縫い、一緒に汗を流したファン・デホンとイ・ジュンソが完璧なレースをしたにもかかわらず失格判定を受けた瞬間に、“あきらめ”が思い浮かんだという意味だ。
それでもパク・ジャンヒョクの負傷は、韓国代表の結束力を固める転換点となった。選手らは「よりすっきりとした試合で偏った壁を乗り越えたい」と覚悟を新たにした。心理相談を受けるほどの衝撃を受けた選手もいたが、2月8日の練習では10人全員が明るい表情を見せ、雰囲気を変えた。
エースであるファン・デホンは、「応援してくれる国民が多く、後ろ盾がしっかりしている。良い姿を見せたい」と決意を新たにした。それとともに「偏った判定を勝ち抜く秘策を立てたが、（中国代表監督など）韓国語を話せる人が多いので秘密だ」と、機知に富んだ様子も見せた。
これまで姿を現さなかった他の韓国代表選手も氷上に立つ。同日、ショートトラック男子1500m競技の他にも、女子1000m準々決勝と女子3000mリレー準決勝が行われる。女子1000mと3000ｍリレーに出場するキム・アランは、「前日、キム・ミンソクがスピードスケートで韓国の初メダル（1500m、銅メダル）をプレゼントしたので、良いことが起こりそうだ。混乱しているのも過程だと考え、準備したものをすべてお見せできるよう最善を尽くしたい」と覚悟を語った。
次期大統領候補や企業トップなど、すべての韓国国民の応援と支持を背にしたショートトラック韓国代表が、プライドをかけて競技に臨む。
■「もう帰ってこないで」中国の金メダル祝った韓国出身の帰化選手に韓国ネットユーザー激怒
前へ
次へ
