去る2月7日に行われた北京冬季五輪ショートトラック男子1000mは、韓国勢にとっていつになく名残惜しいものとなった。
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韓国氷上競技連盟の関係者も、同種目のレースを終えて次のように残念がっていた。
「中国開催のオリンピックのため、審判の不公正な判定が起きることに備え、レース途中に可能な限り中国選手と衝突しないための練習をしてきた。仮想の中国選手を練習パートナーとし、中国選手が割り込んでくるのを避ける練習までしてきたのだが…」
韓国ショートトラックの“看板”であるファン・デホンをはじめ、パク・ジャンヒョク、イ・ジュンソの3人が出場した男子1000mはメダル獲得の可能性が高かった。
しかし、彼らはいざレースが始まると相手選手との激しい体のぶつかり合いに巻き込まれた。加えて、スケートリンクの質も良くなかった。そのため、予想外の事態が起きてもおかしくなかった。
そんななか、パク・ジャンヒョクは準々決勝のレース途中にイタリア代表ピエトロ・シーゲルと衝突して転倒した後、後続の中国代表ウー・ダジンとも衝突した際、ウー・ダジンのブレードが左手にかかり、11針を縫うケガを負った。
結局、レースは放棄せざるを得ず、準決勝にはアドバンス(救済措置)で進出できたが、負傷の具合から出場を断念するしかなかった。
同種目の金メダル最有力と評価されていたファン・デホンも、準決勝では中国選手のけん制に苦しみ、厳しいレース展開となった。それでも、ファン・デホンは絶妙にインコースを抜け出し、中国選手2人を追い越し1位でレースを終えた。
ところが、ファン・デホンは追い越し時に中国選手と接触があったという釈然としない理由で失格に。続くイ・ジュンソも同様の判定で反則となり、韓国勢は男子1000m決勝進出に失敗した。
ショートトラック男子は韓国の絶対強者の時代が終息して長い月日が経った。これからは中国やオランダ、イタリア、ハンガリーなどの強豪国とともに熾烈なレースを繰り広げなければならない。
より“シャープ”で“確実”な戦略と技術が求められる理由はそこにある。
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