韓国の全州(チョンジュ)で行われるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント準々決勝と準決勝は、まさに“鉄壁”とも言える感染対策下で行われる。
韓国プロサッカー連盟は10月12日、報道陣を対象にACL準々決勝、準決勝の開催準備過程に関するブリーフィングを行った。
17日に全州ワールドカップ競技場で行われる準々決勝では、浦項(ポハン)スティーラース対名古屋グランパスが午後2時キックオフ、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース対蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が午後7時キックオフを予定している。
準々決勝の勝者は、同会場で20日午後7時キックオフ予定の準決勝に進出する。
準々決勝と準決勝のいずれも、全州地域の社会的距離確保措置(第3段階)の基準に基づき、会場の総座席数(4万2477席)の約25%にあたる10000席を開放し、有観客試合で開催する予定だ。
本来、ACL準々決勝と準決勝はホーム&アウェーで勝者を決める方式だった。ただ、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、アジアサッカー連盟(AFC)が中立地での集中開催を進めた。
そこで、韓国プロサッカー連盟が全州誘致を申請し、AFCが承認したことで、韓国での集中開催が決定した。
韓国プロサッカー連盟は、海外チームの参加により多数の大会関係者が入国することを受け、ホテル、スタジアム、練習場、クラブハウスなど大会関連の施設をバブルの形で運営し、外部との接触を一切遮断すると発表した。
まず、ホテルの階全体を借り上げ、1階当たり1チームずつ割り当てることにした。当該チームはそのフロア内だけにとどまり、警護員が出入りを統制する。
また、ホテル内ではバブル専用のエレベーターを使用するなど、一般宿泊客との動線も徹底的に分離する。
バブル内の人員には基本的に部屋ごとに弁当を提供するが、選手に関しては外部の人間との接近が不可能な別途な空間で食事を行う。
また、バブル内の人員は毎日午前10時と午後10時に必ず体温測定を行い、結果を試合監督官と防疫担当官に報告する。このほか、公式日程の移動前、車両搭乗前などに追加で測定を行う予定だ。
練習場では練習時間前後に消毒を実施し、スタジアムは試合当日の5時間前からバブルに指定し、統制する。
国際大会が開催されるだけに、韓国プロサッカー連盟は政府の防疫当局に協力を求め、日本から入国する名古屋グランパスや、そのほか大会関係者の入国手続きを簡素化した。
原則として、現在の韓国では海外から仁川(インチョン)国際空港に入国した際は、空港内の臨時隔離所で待機した後、指定した車両に乗って隔離ホテルに移動しなければならない。
隔離ホテルは永宗(ヨンジョン)島、龍仁(ヨンイン)、金浦(キムポ)など散在しており、無作為に構成される。
このため、韓国プロサッカー連盟は関係省庁の協力を得て、ACL関係者が車両で1カ所の隔離ホテル(金浦所在)に移動するよう運営した。
名古屋グランパスは13日、AFCが派遣する試合監督官、審判評価官、VAR運営要員などの関係者は13~14日にそれぞれ韓国に入国予定だ。
仁川国際空港を通じて入国後はPCR検査を受け、結果が出るまで隔離ホテルに滞在し、陰性が確認されれば全州に移動する。
なお、浦項と蔚山現代は試合2日前の15日に全州に移動予定。全州をホームタウンとする全北現代はクラブハウスを使用する予定だ。
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