満場一致のMVP受賞も夢ではない。
ベーブ・ルース以来約100年ぶりに“二刀流”で大活躍したロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(27)が、米メジャーリーグ進出4年目にして異論のないMLB最高の選手に躍り出る見通しだ。
2021シーズンの大谷はあらゆる面で活躍した。投手としては23試合に登板し、130.1イニングを投げて9勝2敗、防御率3.18、156奪三振を記録。打者でも155試合639打席、打率0.257、46本塁打、100打点、OPS(出塁率+長打率)0.965と活躍を披露した。
本塁打部門は3位で終えることになったが、ウラジミール・ゲレーロ・ジュニア(22、トロント・ブルージェイズ)やサルバドール・ペレス(30、カンザスシティ・ロイヤルズ)らと最後まで本塁打王の座をめぐって争った。ただ、大谷はWAR(代替選手比貢献度)9.0と同部門で断トツの数値を記録した。
現地メディアの評価も変わらない。去る10月4日のレギュラーシーズン終了後、各メディアは模擬MVP投票を行っているが、多くの記者が大谷に票を投じている。記者5人が投票した『CBSスポーツ』も、全員が大谷に1位票を投じた。
「野球人生の中で大谷は最も素晴らしいシーズンを過ごした」と評価した『ジ・アスレチック』は、「ゲレーロ・ジュニアとしては悔しいシーズンかもしれない。しかし、今年は大谷のシーズンだ」と、大谷のMVP受賞を確信した。
MVPやサイ・ヤング賞、新人王、監督賞などは、全米野球記者協会(BBWAA)所属記者の投票で決まる。総勢30人の記者が投票者に選ばれ、すでに投票を終えている。
MVPの場合、リーグ別に1位から10位まで最も優れた選手10人を選定する。1位票全30枚を獲得した選手は満場一致でMVPとなる。そして、記者たちは受賞者発表後に自身の投票内容を公開する。
これまで、MLBでは満場一致のMVPが計18回も登場した。直近では2015年ナショナル・リーグMVPのブライス・ハーパー(28、フィラデルフィア・フィリーズ)だ。当時、ハーパーは史上最年少の満23歳で満場一致のMVPを受賞した。
その後、直近5年間では満場一致のMVPが登場していない。それだけに、今シーズン再び満場一致のMVPが生まれる可能性がある。1918年のベーブ・ルース以来、投打で最も完璧な選手となった大谷が、誰もが認めるMVPに輝く可能性は高い。
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