東京で代表引退を示唆した女子バレー韓国代表キャプテンのキム・ヨンギョン(33)が、帰国現場で慎重な立場を示した。
東京五輪をベスト4で終え、8月9日に仁川(インチョン)国際空港を通じて帰国した女子バレー韓国代表。キム・ヨンギョンは同日の到着後、引退についての考えを改めて明らかにした。
キム・ヨンギョンは「引退発表については相談しなければならない部分だ。話をもっとしなければならないため、引退したと断定することはできない。ある程度決定が下されれば、そのとき申し上げる」と述べた。
キム・ヨンギョンは去る8日の3位決定戦でセルビアに敗れた後、取材陣に対し「話をしなければならないが、個人的には今回のオリンピックが最後だと思って準備した」と引退を示唆した。
韓国メディアや国民の多くも、この発言を事実上の代表引退宣言と受け止めていた。
しかしその翌日、キム・ヨンギョンの代表引退はひとまず保留となった。彼女は「もっと話し合うべきだ」とし、引退を断定しなかった。
ここで、キム・ヨンギョンが口にした“相談”の対象というのは、韓国バレーボール協会のオ・ハンナム会長と推測される。オ会長は2017年に協会長に就任した後、今年初めに再選に成功した。
オ会長は、あらゆる“空振り”によって国民全体から非難を浴びたソ・ビョンムン前会長と異なり、落ち着いたリーダーシップや選手優先の行政で好評を受けている。キム・ヨンギョンが昨年、東京五輪アジア予選で腹筋を負傷して所属チームへの復帰が延期され、年俸が削減された際には、慰労金を渡したりもした。
こうした手厚い支援から、キム・ヨンギョンも協会とオ会長を尊重しているという。
オ会長はキム・ヨンギョンの引退発言を聞いた後、「以前からキム・ヨンギョンが東京五輪後の代表引退を考慮していることは知っていた。本当に長い間韓国バレーボールのために献身してきた選手だ。直接会ってキム・ヨンギョンの話を聞くことが礼儀だと思う」とし、「当然、女子バレー韓国代表の戦力を考えるとキム・ヨンギョンにはもっとプレーしてほしいとお願いしたい。だが、選手の考えも尊重すべきだ」と立場を明らかにした。
来年には杭州でアジア大会が行われる。中国や日本、タイなどと戦わなければならない韓国としては、キム・ヨンギョンが抜けると戦力は大きく弱体化し、メダル圏内からも遠ざかる恐れがある。
キム・ヨンギョンは依然としてワールドクラスのアタッカーだ。全盛期に比べて技量が落ちたとしても、アジアでは彼女に追いつける選手はほとんどいない。1年以内に急激な衰えが来なければ、アジア大会でも十分にチームをけん引できるだろう。
加えて、キム・ヨンギョンが代表を退くとなれば、同年代のキム・スジ(34)やヤン・ヒョジン(31)らも同じ道を歩む可能性がある。この場合、既存戦力を維持することは非常に困難となる。
オ会長もこうした点を考慮し、キム・ヨンギョンの引退を基本的には慰留したい立場にはあるが、「無理に選手の意思を撤回したくない」という意見を示したのだ。そのキム・ヨンギョンも、オ会長を尊重し、一方的に引退を明らかにしたわけではないようだ。
キム・ヨンギョンはオ会長と十分に話し合った後、最終的には自身の進退を自ら決める見通しだ。オ会長の意向を受け入れて1年程度代表生活を延長することはできるが、当初の希望通り、このまま代表を引退する可能性も排除できない。
結局のところ、最も重要なのはキム・ヨンギョン本人の意思だ。
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