監督は熟考の末に長年共にしてきた弟子たちを除外した。 冷静に勝負に出たわけだ。
ほかでもないU-24韓国代表を率いるキム・ハクボム監督のことだ。韓国サッカー協会(KFA)は6月16日、東京五輪を準備する第2次招集リストを発表。 先月末から今月16日まで済州(チェジュ)合宿に招集した30人のうち21人が選ばれた。言い換えれば9人も脱落したわけだ。
脱落したメンバーの中には、キム監督率いるチームで長く活躍した選手が多く含まれた。看板ストライカーとして活躍したFWオ・セフン(22、金泉尚武)とFWチョ・ギュソン(23、金泉尚武)が落選しただけではなく、FWイ・スンウ(23、ポルティモネンセ)、MFペク・スンホ(24、全北現代モータース)ら元バルサ・ユース育ちの欧州経験者や、2018年ジャカルタ・アジア大会の金メダルメンバーだったMFイ・スンモ(23、浦項スティーラース)らも外れた。
MFメン・ソンウン(23、FC安養)やMFイ・スビン(21、浦項)、DFキム・テファン(21、水原三星ブルーウィングス)、DFユン・ジョンギュ(23、FCソウル)など、キム・ハクボム監督と長い間呼吸を合わせてきた選手たちも選ばれなかった。馴染みがないかもしれないが、大半がここ2年近く、五輪代表にコンスタントに選ばれてきたメンバーだが、最近のコンディションや試合感覚などを理由に、落選したと思われる。キム監督は冷静に評価したわけだ。
特にオ・セフンとチョ・ギュソンの落選はちょっとした衝撃だ。2人ともU-23アジア選手権優勝時の主力だったが、最近は調子が悪くメンバーに残れなかった。
元ガンバ大阪の韓国代表FWファン・ウィジョ(28)が所属するボルドーとオーバーエイジ枠に関する議論がスムーズに進み、キム監督は2人の選手を連れて行かないことにした。
キム監督にとっては苦しい決定だったという。韓国サッカー協会の事情に詳しい関係者によると、「監督は相当に悩んだ。どの選手も長く一緒にしてきた選手たちなので、申し訳ない気持ちも大きかったと聞いている。それでも冷徹に、客観的かつ冷静に選択した」という。
悩んだ時間も長かった。監督はもともと6月16日午後2時に発表する予定だった。ところが突然、KFAに発表時間の延期を要請したという。とある選手の当落を悩んだだめだったという。
キム監督は6月15日のU-24ガーナ代表戦後、明け方までコーチングスタッフとミーティングを進めて最終合宿参加リストを決めたが、熟考の末にまだしっかりと実力を確認できていない選手を選抜することにした。
それがFWソン・ミンギュ(21、浦項スティーラース)、FWキム・デウォン(24、江原FC)だ。A代表にも招集されたソン・ミンギュは済州でのトレーニングに参加できなかったため、最後の機会を与えたかったのだろう。
韓国は6月22日から計23人が最後のサバイバルにかけられ、6月30日に最終メンバーを決める。選ばれるのはオーバーエイジを含め18人。23人のうち8人は落選するということだ。監督はさらに深い悩みと冷静な判断を下さなければならない状況に直面する。
30人から23人に絞るよりも難しい選択になることは、間違いないなさそうだ。
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