韓国代表の後輩たち、そしてサッカーファンの追慕の中、ユ・サンチョルさんが安らかに眠った。
かつて横浜F・マリノスや柏レイソルで活躍した元韓国代表のユ・サンチョルさんは、すい臓がんとの闘病の末、6月7日に永眠。9日午前、ソウル峨山(アサン)病院で葬儀が行われた。
葬儀は遺族と一部の韓国サッカー協会(KFA)関係者、一部のサッカー関係者のみ参加し、非公開で進められた。
同日、パウロ・ベント監督が率いる韓国代表は、ソウル郊外にある高陽(コヤン)総合競技場で2022年カタールW杯アジア2次予選のスリランカ戦を戦った。
この日、試合会場には随所にユ・サンチョルさんを追慕する場が設けられた。観客席には、「あなたと過ごした時間を忘れません」「私たちの叫びに闘魂で応えたあなたを永遠に記憶します」といったプラカードが掲げられていた。
韓国代表選手たちは右腕に黒いアームバンドを着用。ベント監督をはじめとするコーチングスタッフも、左胸に黒色のリボンを付けた。キックオフ前にはユ・サンチョルさんの生前の姿が映し出された映像が公開され、黙祷も行われた。
キックオフ後、ファンやサポーターはユ・サンチョルさんが代表で着用した背番号6になぞり、6分間、一切の応援もしなかった。
前半14分、MFソン・ジュンホ(29、山東泰山)のパスをMFナム・テヒ(29、アル・サッド)が頭で落とし、最後はキャプテンマークを巻いたFWキム・シンウク(33、上海申花)がゴールネットを揺らした。
直後、キム・シンウクはスタッフから手渡された韓国代表のホームユニホームを手にし、出場メンバーとともにユ・サンチョルさんに捧げる追悼セレモニーを披露した。ユニホームにはユ・サンチョルさんのイニシャルと背番号6が刻まれていた。
キム・シンウクの先制ゴールを皮切りに、以降も韓国代表は猛攻。前半3得点、後半2得点と量産し、5-0で大勝を収めた。天国に旅立ったユ・サンチョルさんに捧げる勝利だった。
前へ
次へ