韓国プロ野球(KBO)、ハンファ・イーグルスの外国人コーチングスタッフが、韓国への適応期を迎えている。
ハンファ・イーグルスのカルロス・スベロ監督は4月6日、仁川(インチョン)SSGランダースフィールドで行われたSSGランダース戦で、8回裏に審判団に激しく抗議したため退場処分を受けた。
スベロ監督は2021年のKBOリーグ退場者第1号となってしまった。
この試合、スベロ監督は66番の“チュ・ヒョンサン”を試合途中に登板させようとしたが、通訳のミスで55番の“カン・ジェミン”が登板することに。これを訂正してほしいと要請したが、審判団は受け入れられないと拒否していた。
約10分間にわたって抗議を続けたスベロ監督は、「抗議は4分を越えてはならない」というリーグ規定に従ってスタジアムから退場することに。
通訳のミスには疑問符が残る。英語が堪能なはずの通訳が、“55”(fifty five)と“66”(sixty six)を間違えることはまったくもって理解ができない。
今回の出来事についてハンファ・イーグルス関係者は、「投手交代は投手コーチのホセ・ロサド氏によって行われるが、彼は通訳に両手を使って指6本を見せ、“66番”のチュ・ヒョンサンを起用すると報告した。さらに、右のオーバースローのジェスチャーまでしており、ボディーランゲージでも意思を示した。しかし、通訳が審判に伝える際には、“55番”のカン・ジェミンが登板すると誤って伝えられた」と当時の状況を説明している。カン・ジェミンは右利きのサイドスロー投手だ。
また、スベロ監督が投手交代を覆せないという規則を知らなかったはずはないが、10分にもわたって抗議を続けた。この一連の抗議は、イレギュラーな状況で登板することとなったカン・ジェミンのウォーミングアップ時間を稼いでいたのではないかという指摘も上がっている。しかし、カン・ジェミンすでにブルペンで投球練習を済ませていた状態だったそうだ。
関係者は「スベロ監督とロサドコーチは、あらかじめ試合前に投手の起用方法を設定している。そのプランに従ってチュ・ヒョンサンとカン・ジェミンがともにウォーミングアップしていた」と述べている。
ひとまず、今回の退場劇で球団としては今後の対策を立てることができるようになったと言える。国際大会では意思疎通のミスを防ぐため、選手リストを審判の前まで持って行き、指差しで交代が行われるそうだ。
今季のハンファ・イーグルスのコーチングスタッフの主要ポストは、外国人コーチが務めている。スベロ監督を筆頭に、ケネディヘッドコーチ、ジョニー・ワシントン打撃コーチ、ロサド投手コーチの計4人だ。
シーズンはまだ開幕して間もない。今後も同様の通訳ミスが生じないよう、球団としては早急に対策を立てるべきだろう。
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