現在米アリゾナ州で行われているオープン戦で、初先発を務めたテキサス・レンジャーズのヤン・ヒョンジョンだが、好投とは程遠いピッチングを見せた。
ヤン・ヒョンジョンは3月25日(日本時間)アリゾナ州グッドイヤーで行われたシンシナティ・レッズとのアウェー戦で3.1イニングを投げ、5被安打、2奪三振、2失点の成績を残した。
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この試合で事実上2021年オープン戦でのピッチングを終えたヤン・ヒョンジョン。3.1イニングは今年のオープン戦最多イニングであり、戦った打者14人も最多となっている。
オープン戦4試合目の登板にして初の先発だったが、このチャンスを生かすことができなかった。
2回の集中被弾で4安打2失点を喫し、初めてメジャーリーガーの痛烈な打球を経験。これまで3度のリリーフ登板で相手していたのは、ほとんどがマイナーリーガーだった。先発投手はオープン戦でメジャーの打者と相手にするという点で、リリーフと大きな違いがあった。
レンジャーズ専門ラジオは、ヤン・ヒョンジョンの韓国プロ野球(KBO)リーグでの活躍ぶりを強調し、「ファストボールは88~89マイル(142~143km)を維持するソフトピッチングの投手だ。チェンジ・オブ・スピードが良い」と説明。ヤン・ヒョンジョンはMLBにおいて“パワータイプ”ではない。
この日のレッズ上位打線は1番のディー・ゴードンをはじめ、ニコラス・カステヤノス、マイク・ムスターカス、エウヘニオ・スアレス、タッカー・バーンハートら1軍メンバーだった。
ヤン・ヒョンジョンは1回裏、カステヤノスに初安打を許したものの、二死一塁の場面でスアレスを三振に仕留め、ピンチを乗り切ったかに見えたが、続く2回裏に悲劇は訪れた。
2回表、レンジャーズは暴投と適時打で3点を獲得。しかし2回裏、5番のバーンハートをショートゴロで打ち取るも、続く6番タイラー・スティーブンソンに左中間安打、7番タイラー・ネイキンに左翼方向への2塁打、8番アリスティデス・アキーノの適時打など、3連打を許してしまった。
9番のアレックス・ブランディーノを三振で仕留め、1失点で危機を乗り切ったかのようだった。しかし、二死の状況で1番ゴードンに右翼線上の二塁打で2点目を与えてしまう。幸いにも強肩のジョーイ・ギャロが一塁走者をホームで刺したため、追加の失点は免れた。
4安打2失点の集中砲火でひどい目にあったあとの3回裏、カステヤノス、ムスターカス、スアレスらレッズ打線の中軸を内野ゴロで処理し、落ち着きを取り戻したヤン・ヒョンジョン。 4回裏に先頭打者のバーンハートを二塁ゴロで打ち取ったあと、リリーフのブルット・デ・グースとの交代でベンチに下がった。
初の先発で目立った点は、5安打を許したものの四球がなく、ゴロで6回も打ち取っているところだ。これでヤン・ヒョンジョンは、オープン戦4回の登板で計9.1イニングを投げ、11被安打、4失点、無四球、10三振を記録した。
これでヤン・ヒョンジョンができることは、ただ祈ることだけだ。開幕1軍ロースター枠の26人に無事入ることができるのか、運命の分岐点が待ち受けている。
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