これまで、スポンサー企業が主催する大会に後援選手が出場することは暗黙の了解とされてきた。契約時にも、このような条件を明文化するのが慣例だった。
しかし、来る韓国女子ツアーの大会でこの慣例が破られた。それが、10月15日から18日にかけて行われる今シーズン最後のメジャー大会「KB金融スターチャンピオンシップ」だ。
KB金融グループは、米国女子ツアーで活動中の自社後援選手に「今年は出場しなくても良い」と意志を伝えた。そこには、新型コロナウイルス感染症による2週間の自主隔離のため、ややもすればコンディションに影響を及ぼす恐れがあると判断したKB金融グループのユン・ジョンギュ会長の配慮があった。
このため、パク・インビをはじめチョン・インジ、チョン・ジウォンなど、海外でプレーするKB金融グループ所属選手は今大会に出場しない。
その代わり、国内に滞在中の海外組が大勢出場する。なかでも、女子ゴルフ世界ランキング1位コ・ジンヨンに多くの関心が集まる。
コ・ジンヨンは、2カ月間の空白を経て出場した先週の「2020オーテックキャリアチャンピオンシップwith世宗フィールドゴルフクラブ」を3位で終え、集中力と試合感覚を取り戻した。次戦も世界1位の貫禄溢れるプレーに期待したい。
そのほか、「ロッテ・カンタータ女子オープン」優勝者のキム・ヒョージュ、「起亜自動車・第34回韓国女子オープン」優勝者のユ・ソヨンも今大会に参戦する。
国内組も、今シーズン賞金ランキングのトップ10全選手が総出動するなど有力選手がそろう。
特に、昨シーズンの同大会を制覇したイム・ヒジョンが今回、大会2連覇を達成できるかどうかに注目が集まっている。今シーズン、イム・ヒジョンは優勝こそ無いものの賞金ランキングで現在2位と、浮き沈みの無いプレーで常に上位でフィニッシュしている。それだけに、今大会でも優勝候補の一人と目されている。
また、アン・ソンイやオ・ジヒョンら、KB金融グループ所属選手がスポンサー主催の大会で印象的な成績を収めるかどうかも関心事だ。
今シーズン、韓国女子ツアーは新型コロナの影響で2つのメジャー大会含む相当数の大会が中止となった。
こうしたなか、今回の「KB金融スターチャンピオンシップ」では、賞金総額が例年より2億ウォン高い12億ウォン(日本円=約1億2000万円)と定められた。そのため、優勝賞金も賞金総額の20%にあたる2億4000万ウォン(約2400万円)となる。
今シーズンの個人賞タイトルの行方を占う大きな分かれ目となるだけに、今大会はいつになく熱戦が繰り広げられることになりそうだ。
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