韓国男子プロバスケットボールリーグであるKBLの仁川電子ランドエレファンツが、チーム運営の終了を公式に宣言。2020-2021シーズンまで運営することで確定した。
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これにより、KBLの足元に火がついた。現在の10チーム体制を維持するためには、仁川電子ランドエレファンツを買収する企業を新たに探さなければならない。期限は来年5月31日までだ。
KBLは8月20日、ソウルKBLセンターで第26期・第1回臨時総会と第1次理事会を開催した。
仁川電子ランドエレファンツは臨時総会を通じて、チーム運営の終了を予告した。2003年の創立以降、厳しい経営環境にもかかわらず、チーム運営に最善を尽くした仁川電子ランドエレファンツは、2020-2021シーズンを最後にチームの運営を終了(2021年5月31日まで運営)する。
仁川電子ランドエレファンツは、2019-2020シーズン終了後に“チーム売却説”が浮上していた。一部企業からの関心もあったが、新型コロナウイルス感染症という悪材料によって売却に失敗し、白旗を上げることになってしまった。
仁川電子ランドエレファンツの関係者は「新型コロナの事態で社会的、経済的に不確実性が拡大している状況で、企業は選択と集中をしなければならない。そのため、広報よりも経営側の投資が必要な時期だと判断し、チームをもう1シーズンだけ運営することにした。チームは電子ランドが17シーズンも運営してくれたことに感謝しているし、2020-2021シーズンはさらに良い姿を披露し、チームがうまく売却されるよう、優れたパフォーマンスを見せたい。揺らぐことなくチームを運営していく」と述べた。
今回の仁川電子ランドエレファンツの発表で、KBLの10チーム体制に赤信号が灯った。KBLと会員チームは10チーム体制が維持されるよう最善を尽くし、協力と支援を行うことで意見を集めた。
理想的なシナリオは、シーズン終了までにチームを買収してくれる企業が見つかることだ。KBLはリーグ開始元年の1997年こそ8チーム体制だったが、以降は10チーム体制でシーズンを運営してきた。
売却先が見つからない場合、9チームの奇数体制ではなくKBLの委託運営となる可能性が高い。KBL関係者は「10チーム体制を維持するため、最善を尽くすことで意見をまとめた。売却先が見つからない場合に委託運営をするかどうかは現時点では言えない」と述べた。
KBLは以前、麗水コリアテンダー(現・釜山KTソニックブーム)が売却される前の短期間、委託運営を行ったことがある。
また、別のKBL関係者は「委託運営をすることになるなら、WKBLのようにネーミングスポンサーを誘致する案もある。しかし、男子プロバスケットボールはサラリーキャップ(今季25億ウォン=約2億5000万円)があり、運営費も特別多い方ではないので、ネーミングスポンサーができるほどの企業なら買収も可能だと考えている」と肯定的な見通しを示した。
実際、女子プロバスケットボールリーグのWKBLでは、KDB生命が2018年3月にチーム運営から手を引いた後、委託運営を経て同年10月にOK貯蓄銀行がネーミングスポンサーを購入し、水原を本拠地に据えてチーム運営を続けた。
そして、昨年にはBNK金融持株がOK貯蓄銀行からチームを買収し、釜山を本拠地にして4月から公式に再創設を知らせた。
韓国プロ野球では2007年に韓国野球委員会(KBO)が野球発展基金を切り崩し、親企業の財政難で破産危機に追い込まれた現代ユニコーンズを委託運営したことがある。
だが、当時は約130億ウォン(約13億円)の野球発展基金が運営費に消え、チームの放漫な運営とモラルハザードなどが批判を受けることになった。翌年にはセンテニアル・インベストメントに承継され、“ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)”という名前でチームが再創設されたが、基金による委託運営無用論が大勢を占めるきっかけとなった。
KBL関係者も「最悪のシナリオは基金を通じた委託運営だが、過去のプロ野球での現代ユニコーンズの事例からもわかるように、あまり望ましくない。理事会メンバーたちも、その部分については快く思っていない」と伝えた。
KBLは、新型コロナで困難を極める時代に、仁川電子ランドエレファンツを買収してくれる企業を探さなければならない。とはいえ、多くの企業が委縮している状況でプロバスケットボールチームを運営する企業が出てくるかは不透明である。
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