一生懸命準備をしてきたワールドカップ本大会、グループステージ3戦全敗で早々と散ってしまったのだ。
同時期に行われていた男子のU-20ワールドカップは準優勝と新たな歴史が刻まれた一方で、女子A代表チームは悲しみに暮れていた。
チ・ソヨンは「本当に今でも鮮明だ。サッカーをしてきてあれほど悲しかったことは無い。最後の試合を終えてがっかりした。私がやめるべきではないかとまで考えた。自分ができなかったという気持ちで大きな自責の念を抱いた」と苦い思い出を振り返る。
だが、ワールドカップに再び出場することを決心したのもそのときだ。「スタジアムを出る前に結審した。ワールドカップにもう一回出場し、良い成績を収めて引退しなければならないという意志ができた。こんなに悲しいままワールドカップを終わらせられないという思いが浮かんだ」と彼女は強調した。
チ・ソヨンの今の目標は東京五輪本大会への進出だ。韓国女子サッカーは未だオリンピックの舞台を踏んだことがない。ある意味、ワールドカップよりも出場が難しい大会がオリンピックなのだ。
可能性は十分にある。韓国は、プレーオフで中国と最後の勝負を控えている。来年2月に行われる2度の対決を勝ち抜けば、東京行きの切符を手にすることができる。チ・ソヨンも意欲を示す。
「本当に切実だ。ぜひ行ってみたい。私たちにもできるということを見せたい。ワールドカップで私たちに失望された方々が多いと思うが、それが私たちの本当の姿ではないことを証明したい。簡単ではないが、中国に勝って必ず本大会に進む。もう20代後半だから、次回のオリンピックは難しいだろう。今回が最後の挑戦となるから、必ず成し遂げたい」
そして、オリンピック後に最後となるワールドカップにもう一度挑戦するという構想を彼女は持っている。
「依然としてすべきことが多い。多くの方々が私を“女子サッカーの看板、顔”と言うけど、行く道は遠い。最近サッカーをやっている友達の中でも、私のことをよく知らない選手が多い。この前も知人の学校へ行ったら“誰?”と聞かれた。私が女子サッカー選手のロールモデルにならなければならないと思っていたので、少し衝撃も受けた(笑)。まだまだだなと思った」
「ワールドカップにはもう一度出なければならない。1年前の痛みを必ず癒したい。フランス大会が最後のワールドカップではないことを望んでいる」
幸いにもチ・ソヨンは大けがをしたことがなく、選手として“ロングラン”が予想されている。同じくイングランドでプレーするソン・フンミン(27・トッテナム)のように、チ・ソヨンも鋼鉄の体を誇る。
チ・ソヨンは「実際、あまり外に出ず運動ばかりしている。コンディション管理を徹底しているからか、負傷もなかなかしないようだ。小さなけがはあっても大けがで長期間プレーできなかったことはない。祝福されたかのようだ。もっと多くのことを達成するまで、選手生活を元気に続けていきたい」と明らかにした。
現在、A代表マッチで123試合の出場記録を持つチ・ソヨン。その記録がこの先どれだけ増えるか、今後も彼女の活躍を見守りたい。