無観客で試合が行われながら、チームの雰囲気がそのままグラウンドに伝わっている。
連勝と連敗が繰り返され、リーグ順位に二極化が顕著に表れており、今シーズンは例年以上にムードメーカーやベンチリーダーの役割が重要になった。
5月13日、先発勝利を上げたLGツインズのイム・チャンギュは「マウンドにいると、ダッグアウトの同僚と内野手の声はもちろん、外野手の声まで聞こえる。仲間たち励ましてくれたので力になり、いいピッチングができたようだ」と話した。
続いて彼は「特に(チョン・)グンウ兄さんと(キム・)ヒョンス兄さんの声がよく聞こえた」と笑い、「僕も試合に出ないときは、ダッグアウトで積極的に仲間たちを応援するほうだ。無観客試合だけに、そんな雰囲気が重要だと考えている」と述べた。
だが、チームの雰囲気は意図的に作る上げることは容易ではない。
連勝中のチームであれば自然に雰囲気が良くなるが、連敗しているチームは自分たちも知らないうちに雰囲気が下がる。プロの舞台では、どんなチームでも成績を無視できるはずもない。それでも今シーズンは、何とか気を取り直してグラウンドに立たなければならない。
LGツインズのリュ・ジュンイル監督は今シーズンに先立って、「普通、シーズン後半の下位チームは雰囲気が下がりやすい。成績も悪く、ホームの観客も少ないので気持ちが乗らない場合が多い」とし、「だから(無観客の)今シーズンは、例年よりダッグアウトからいろいろな姿が出てくると思う。おもしろい姿がたくさん出てくるだろう」と予想した。
実際、各球団は練習試合の期間から“セレモニー作り”に集中した。多くのチームが新型コロナウイルスと戦う医療スタッフを激励する“おかげでチャレンジ”に参加したが、状況に応じて別のパフォーマンスも増えている。
イム・チャンギュは「あまりに過度なセレモニーや応援よりも、状況に合わせて行うことが重要。良いプレーが出たり、イニングが終了したりしたときに、集中して仲間に力を与える方向になってきている」とし、「観客がいたときとの違いが、本当に大きい。以前のように応援歌が聞こえ、旗が振られていたときとは、多くの違いがあるのが事実だ」と説明した。
韓国プロ野球で大成功を収め、メジャーリーグのミルウォーキー・ブルワーズと契約を結んだジョシュ・リンドブロムは、「韓国の球場の雰囲気は本当に特別だ」と親指を立てたことがある。
ホームの観客がホームチームの選手に容赦なくブーイングを浴びせるメジャーリーグとは異なり、韓国プロ野球KBOリーグのファンは、最後まで応援するチームに向かって歓声と激励を送る。
過去10年間、ほとんどのシーズンを下位で終わったハンファ・イーグルスも、球場でファンが送るエネルギーは優勝チームと比べても不足していない。
しかし今シーズンは、かけがえのない声援がしばらく姿を消すしかない。選手たち自らが雰囲気を引き上げられるチームが、大きく飛躍することになる。
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