メジャーで新たな“日韓ホットライン”が開通する予感だ。ロサンゼルス・ドジャースのキム・ヘソンと大谷翔平が2試合連続で得点をともに演出し、グラウンドに新風を吹き込んでいる。
5月7日(日本時間)、敵地ローンデポ・パークで行われたマイアミ・マーリンズ戦。結果は延長10回の末にドジャースが4-5のサヨナラ負けを喫したが、日韓の野球ファンにとって見逃せない過程が試合中にあった。
それは7回。キム・ヘソンが一ゴロの間に出塁して一死一塁とすると、後続の大谷がライトへのタイムリーツーベースヒットを放つ。この間に、キム・ヘソンが快足を活かしてホームイン。「キム・ヘソンが出塁し、大谷がキム・ヘソンを帰還させる」光景が再び演出されたのだ。
前日(6日)の試合でメジャー初出場を果たしたキム・ヘソン。同日の5回表には先頭打者として初安打を放つと、大谷の打席で二盗に成功。そして、大谷が右方向へ痛烈な2ランホームランを放ち、キム・ヘソンとともにホームへ帰還した。大谷との“ホットライン”によって、2日連続で得点が生まれたわけだ。
ドジャースの試合を中継する『スポーツネットLA』の実況陣もこのシーンを興味深く分析。中継陣は「昨日に続いて今日も素晴らしい連携を見せたキム・ヘソンとオオタニだ。このコンビが再びやってくれた。海外から来た兄と弟(Big brother, little brother)とオオタニとキム・ヘソンを呼ぶべきかもしれない」と伝えた。
メジャーの先輩で実際に年上の大谷は、春季キャンプの頃からキム・ヘソンを特に気にかけた。同じエージェントCAAに所属しており、キム・ヘソンがメジャー進出を控えた頃から面識を持っていた。
そして、チームメイトとなってからは、大谷がキム・ヘソンの心強い“後援者”の役割を果たしている。
6日の試合でキム・ヘソンがメジャー初ヒットを放ち、直後に大谷のホームランで一緒にホームインすると、ダグアウトで印象的な場面が見られた。皆がハイタッチする中、大谷はキム・ヘソンのヘルメットを軽く叩き、自身のホームランよりもキム・ヘソンの初ヒットを祝福していたのだ。
『ロサンゼルス・タイムズ』は6日の試合後、「ドジャースで最も大きな男が、最も小さな男を待っていた。二人が抱き合い、喜びを分かち合う姿がカメラに捉えられた」と、大谷のキム・ヘソンへの愛情を取り上げた。
キム・ヘソンは「大谷さんはとても大きなスターなので、話すときに少し緊張することもあります」と笑顔を見せつつも、「いつも大谷さんが先に話しかけてくれます。おかげで、メジャーでの適応が早く進んでいます」と、“先輩”大谷への感謝を伝えた。
大谷も試合後、「キム・ヘソンが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。全体的に本当に良かった」と、キム・ヘソンの活躍に心からの労いを届けた。
キム・ヘソンはメジャーへの適応を順調に進めているように見える。足首のケガで負傷者リスト入りしたトミー・エドマンの代役としてコールアップされたキム・ヘソンだが、エドマンが復帰すれば再びマイナーに戻る可能性が高いと見られていた。
しかし、デーブ・ロバーツ監督をはじめ、チームメイトたちは皆キム・ヘソンを好意的に受け入れている。グラウンド内外でその存在感が認められているのだ。
ロバーツ監督は「みんながキム・ヘソンを好きで、幸せを感じている。みんなが彼を応援しており、素晴らしいチームメイトだ。謙虚さがあり、誠実さも伝わってくる。本当に良い人間だ。我が球団に活力を吹き込む選手」と評価した。
フレディ・フリーマンも「とても素早く動ける選手。春季キャンプでいくつか調整をしたが、その成果が出ているのが見ていて嬉しい。我々のチームにとって本当に良い武器になる選手」と評価した。
マイナーから着実に這い上がり、メジャーでチャンスを手にしたキム・ヘソン。今後も大谷との“日韓ホットライン”が続くことを願うばかりだ。
(記事提供=OSEN)
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