「韓国はどの国よりも新型コロナ対策をうまく行ったおかげで、野球を再起動しています」
全世界のスポーツファンと関係者が、韓国プロ野球KBOリーグを羨望している。約2週間後、韓国野球委員会(KBO)の思惑通りに行けば、さらに大きな憧れの対象となる可能性もある。
米メジャーリーグ(ML)のコラムニストのジェフ・パッサンは4月7日(日本時間)、アメリカ大手スポーツメディアである『ESPN』で「全世界の球界がKBOリーグに注目している。彼らの取り組みが、アメリカ球界にも答えを与えるかもしれない」と強調した。
新型コロナウイルス感染症が全世界に広がり、パンデミック(世界的大流行)宣言が出ているにもかかわらず、韓国で大きな問題もなく野球を続けているからだ。
ジェフ・パッサンは「韓国が野球をすることができる理由は、国家全体が新型コロナに完全に対応したおかげだ。韓国国民は安全のために、一時的に個人の自由を放棄してでも、防疫予防のヒントを実践した。マスクや消毒剤の制度を全国どこでも見ることができる。実際に3月中旬から感染者が減り、回復期の今も緊張感を維持したまま、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を置く期間を延長した」と絶賛した。
何よりも野球をしているという事実に、羨望の眼差しを向けた。
KBOは同日、新型コロナ対応のための緊急実行委員会(団長会議)を開き、「早ければ4月21日からチーム間の交流戦を始める計画だ。新型コロナの状況に応じて流動的ではあるが、現状であれば5月初旬の開幕まで進めることができるようだ」との意見を集めた。
韓国の中央対策防疫本部が発表した感染者数は、前日に続き2日連続で50人を下回った。
KBOリュ・デファン事務総長は「感染者が50人以下を維持しているということが、実行委員会の議決に大きな影響を及ぼした。政府も感染者50人以下をソーシャルディスタンス解除のためのバロメーターとしてみているため、KBOも歩調を合わせるのが正しいと判断した。今の状態を4月14日に開催される理事会(社長会議)まで維持できれば、4月21日の交流戦開始と、シーズン開幕の日程に近づくことができると期待している」と述べた。
もちろん、集団感染や再感染者の増加などの突発的なアクシデントが発生すれば、これまでの議論は水泡に帰す。それでも野球ができるとの希望を伝えたのは、以前の議論からさらに一歩進んだからだ。
リュ事務総長は、「政府がソーシャルディスタンスを置く措置を2週間延長したが、4月19日に再び延長されれば、交流戦を行うことができない。現段階では大邱(テグ)のサムスン・ライオンズもホームゲームが可能と判断した」と説明した。
シナリオ通りに交流戦が始まれば、5月初旬のシーズン開幕まで期待できる。ただ開幕時期が決まっても、慎重にアプローチする方針だ。
リュ事務総長は「5月初めに開幕しても無観客で行う必要がありそうだ。新型コロナの推移を見守りながら、10%台の入場からはじめ、徐々に観客数を増やす案を検討中」と明らかにした。5月初めのシーズン開幕が不可能になると、試合数の縮小が現実的になる。
また交流戦の時期に感染者が発生した場合、その球団は少なくとも2週間、練習などをオールストップさせる計画だ。
リュ事務総長は「感染者が発生した球団はオールストップとなる。検疫官が調べるだろうが、該当チームと対戦チームだけでなく、直前に対戦した球団も検査する計画だ。感染者が発見されたときは、混乱が避けられない」と述べた。
希望と不安が共存する決定だが、いずれにせよ野球ができるという希望は生まれている。全世界のスポーツファンが、韓国プロ野球が生んだ希望の芽が無事に育つことを望んでいる。
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