ロサンゼルス・ドジャース新加入の韓国人内野手キム・ヘソン(26)が生き残った。春季キャンプでマイナー降格を回避し、開幕ロースター入りに向けてアピールを続ける。
ドジャースは3月3日(日本時間)、春季キャンプからマイナー降格する選手8人を発表した。そこにはホスエ・デポーラ(19)やザイアー・ホープ(20)などの有望株も含まれていた。
ここにキム・ヘソンの名前はなかった。これは、彼が残り2週間の“最終関門”を通過する機会を得たことを意味する。
キム・ヘソンは今年1月、ドジャースと3年1250万ドル(日本円=約19億3838万円)+2年間の球団オプションの契約でMLBに進出した。
ただ、キム・ヘソンの契約にはマイナー拒否権がない。マイナー降格に対する拒否の方法がない彼にとって、今回の機会は意味が大きい。
ドジャースを率いるデーブ・ロバーツ監督は以前のインタビューで「キム・ヘソンに最大限多くの機会を与える」と明らかにしたが、マイナーでのシーズン開幕の可能性も示唆してきた。
そのような状況でキム・ヘソンが生存できたことは、ドジャースが彼をまだ「放棄できないカード」として期待していることを意味する。
もっとも、その“生存”はイコール“成功”ではない。
キム・ヘソンは春季キャンプ8試合で17打数2安打、打率0.118と不振だ。本塁打1本を除いては自慢できるものがない。
守備でも遊撃手、二塁手、中堅手と複数のポジションをこなしているが、まだ確実な存在感はない。
ドジャースは来る18~19日にかけて、東京ドームでシカゴ・カブスとの「MLBワールドツアー・東京シリーズ」を通じて2025年シーズンをスタートする。
今後のオープン戦8試合と15日の読売ジャイアンツ戦、16日の阪神タイガース戦が、キム・ヘソンの“デッドライン”になる見通しだ。
ドジャースの内部競争は依然として熾烈だ。二塁手の主力争いではキケ・ヘルナンデス(33)やミゲル・ロハス(36)が強力な候補に君臨しており、スーパーユーティリティではクリス・テイラー(34)との競争が避けられない。これにデビッド・ボーディ(31)も打率0.471、1本塁打、6打点と猛打を振るっている。
キム・ヘソンの最大の強みは「スーパーユーティリティ」という点だ。遊撃手、二塁手、中堅手を消化できるマルチポジション能力は、ドジャースが彼を簡単に放棄できない理由だ。
ただ、そのカードが有効になるためには、何よりも打撃不振を克服しなければならない。
ロバーツ監督は「打撃フォームの完成度が30%程度に過ぎない。キム・ヘソンは依然として適応中だ」と評価した。
キム・ヘソンは残りの2週間で打率を2割台半ば以上に引き上げ、複数のポジションで安定した守備を見せてこそ、レギュラーシーズンのロースター入りに青信号が灯る見通しだ。
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