致死量に近い安定剤が検出…韓国有名医の病院で女性がこの世を去る、遺族は病院側の“遺棄致死”で刑事告訴

2024年07月29日 社会

有名精神科医“兄弟”が運営する韓国のある病院に薬物中毒治療で入院していた30代女性が、この世を去るという事件が発生した。

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韓国紙『ハンギョレ』は7月28日、「去る5月10日、ダイエット薬の中毒治療で京畿道・富川(キョンギド・プチョン)のある病院に入院していたAさん(33)が、入院17日目の5月27日午前4時頃死亡した。遺族は当該病院の医療スタッフを刑事告訴し、国家人権委員会に陳情を提出した」と報道した。

遺族が公開した監視カメラの映像によると、Aさんがお腹を押さえて部屋から出してほしいとドアを叩くと、看護師と保護士が入ってきて安定剤を飲ませ、手、足、胸をベッドに縛る措置を取っていたことが判明している。

そして2時間後、お腹が膨らんだAさんは鼻血を流しながら息も絶え絶えに。病院スタッフはAさんの身体は自由にしたものの、それ以上の措置は取らずに部屋を出た。

その後、Aさんは意識を失い、亡くなった。解剖検査の結果、Aさんの死因は仮性腸閉塞だった。仮性腸閉塞とは、自律神経系の異常で気質的な病的変化なしに大腸閉鎖が起きる病気だ。

血液からは“致死量”の安定剤が…

男性のシルエット

遺族は告訴状に、「被害者は5月20日から排便活動が困難となり、断続的に腹部の痛みを訴えていた。26日夜7時頃からは排便活動の困難を伴う深刻な腹部の痛みを訴えたにもかかわらず、病院は全く措置を取らなかった」と明らかにしている。

続いて、「以降、腹部膨脹で排便管理が疎かになり、被害者がこれを原因に騒ぎを起こすと、安静室(隔離室)に監禁したあと、睡眠薬、デパコートなどの向精神性病薬を服用させた」と主張。Aさんは26日19時頃に隔離され、27日0時30分から2時45分まで強迫された。

Aさんの兄は、「3~4人部屋にいた妹が、なぜ安静室に行ったのかも分からない。有名医師が運営するリハビリシステムを信じて行ったが、むしろ国立科学捜査研究院の剖検では致死量に近い安定剤が血液から出たと聞いている」と述べた。

遺族は状態が悪化したAさんを意図的に放置したとし、病院長含む医師3人と看護師3人を業務上過失致死ではなく、遺棄致死罪で刑事告訴した。

遺族はまた、監視カメラの映像のなかの死因を明らかにできる重要な部分が削除されたという理由で、証拠隠滅疑惑も提起した状態だ。病院はこれと関連し、「慢性便秘患者であり、腹痛の訴えも継続していなかったので、腸閉塞を疑うことが難しかった」という立場を明らかにしている。

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