来る3月25日に予定された韓進(ハンジン)カールの株主総会を控えて、韓進グループのチョ・ウォンテ会長側と、“ナッツ姫”ことチョ・ヒョナ元大韓航空副社長を含めた“反チョ・ウォンテ側”の葛藤が極限に達した。
一言で、経営復帰を目指す姉“ナッツ姫”と、それを認めない弟(会長)の争いだ。
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2月20日午前、“反チョ・ウォンテ側”のメンバーで、グループ本社の株を多数持つファンド「KCGI」のカン・ソンブ代表が記者会見を開き、チョ・ウォンテ会長体制を批判した。
するとチョ・ウォンテ会長の韓進グループ側は同日午後、資料を発表して反論した。
韓進グループ側は「経営ビジョンの提示もなく、露骨な非難に一貫した欺瞞に満ちた記者会見」と非難すると、「過去に提示した戦略の焼き直しであるだけでなく、産業に対する専門性も実現可能性もない、雲をつかむようなアイデアだけが横行した」などと強調した。
そして「牽強付会(けんきょうふかい:自分の都合に合わせて強引に理屈をこじつけること)であり、今の経営状況を誤解する一方で、論理的な根拠なしに当社の最高経営層を露骨に非難していることから、常識以下の記者会見という点からも非常に遺憾」と述べた。
韓進グループ側は、経営の第一線に出ないと公表していた“ナッツ姫”チョ・ヒョナの主張は、市場と株主に対する“欺瞞行為”であると断定した。
韓進グループ側は「チョ・ヒョナは経営の第一線に出ないと公表したが、代表理事の権限で、チョ・ヒョナ株主連合の当事者や利害関係者を未登記役員として任命することができる」とした。
そして「チョ・ヒョナ株主連合は、このような手順で会社を掌握しようとしていることが明らかで、これは明確に経営参加であり、経営復帰だ」と強調した。
同時に「海外金融・投機勢力が企業の経営権を侵奪する過程もこれと同一であるため、チョ・ヒョナ株主連合の主張は事実上、市場と株主に対する欺瞞行為」と述べた。
また、チョ・ヒョナ株主連合の「理事資格条項の新設」という提案はペテンであり、実質的にはチョ・ヒョナ元副社長を経営復帰させるためのものと、疑心も伝えた。
先立ってチョ・ヒョナ株主連合は2月13日、株主提案を通じて「理事資格条項の新設」を提案した。
これによって「企業・系列会社に関連する背任・横領罪で禁錮以上の刑の宣告が確定され、それから3年が過ぎていない場合」や「法令上の欠格事由がある場合」には、理事会理事として選出できないという内容を明示することを主張した。
韓進グループ側は、「“ナッツリターン事件”の張本人であるチョ・ヒョナ元副社長の場合、航空保安法、関税法、出入国管理法に基づく有罪判決を受けた。また児童虐待の容疑で起訴され、離婚訴訟も進行した。しかしチョ・ヒョナ株主連合は、ひたすら背任・横領罪だけを明示するとした」とし、「チョ・ヒョナ復帰のためのトリック」と主張した。
さらにチョ・ヒョナ元副社長は、韓進グループのホテル部門を引き受けて経営を悪化させ、これはグループの負債比率の上昇につながったと指摘。ナッツリターン事件で大韓航空の対外イメージに決定的な打撃を与えた人物という点も強調した。
他でもなく、韓進グループの現会長チョ・ウォンテは、チョ・ヒョナの弟だ。姉弟が骨肉の争いを繰り広げていることになる。前会長で2人の父であるチョ・ヤンホが2019年4月8日に亡くなったことで、お家騒動が始まった。
チョ・ヒョナは昨年12月、法律代理人を通じて「韓進グループの現状況に対するチョ・ヒョナの立場」と名付けた資料を発表。「チョ・ウォンテ現会長が共同経営の遺訓に逆らってグループを経営しているし、今も家族同士の協議も不誠実と延期で一貫している」などと主張していた。
そして「先代の故チョ・ヤンホ会長は亡くなる直前、3人の兄弟が力を合わせてやっていくよう改めて意志を示した」が、「相続の実質的な協議や十分な話し合いもせず、公正取引委員会から大規模企業集団の同一人(総帥)が決まり、チョ・ヒョナ元副社長の復帰などに対して当事者となんの合意もなかったにも関わらず、対外的には合意があったと公表された。チョ・ヒョナ元副社長と法律代理人が何度も要請したが、最小限の事前協議もせず経営上の重要事項が決定し、発表された」と付け加えていた。
いずれにせよ経営復帰を目指す“ナッツ姫”と、それを認めない弟の骨肉の争いは続いている。今後、どのような推移をたどるのか、注目してみたい。
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