韓国で牛のウイルス性疾患「ランピースキン病」が蔓延している。
23日、国会で開かれた農林畜産食品海洋水産委員会の国政監査で、チョン・ギョングン農林畜産食品部長官は「今、計14件に増え、638頭が殺処分された」とし、「感染事例はさらに増えるだろう」と述べた。
ランピースキン病は韓国で20日に初確認されたあと、23日までの3日間で京畿道(キョンギド)、忠清南道(チュンチョンナムド)で計10件が報告された。だが、同日に追加で4件が確認されている。
前日までは京畿道、忠清南道の農場だけでの感染にとどまっていたが、23日には忠清北道(チュンチョンブクド)でも初確認された。韓国政府はこれとは別に、感染が疑われる事例3件に対しても検査を進めているという。
ランピースキン病は1929年にアフリカのザンビアで初めて発生。牛にだけ感染する伝染病だ。症状としては、高熱と硬いこぶのような皮膚結節が挙げられる。
主に、蚊などの吸血昆虫によって伝播されるウイルス性疾病で、死亡率は10%以下だ。人には感染しないものの、牛は感染によって牛乳生産量が減り、流産や不妊などの症状が現れることがある。
チョン長官は今後、殺処分範囲を縮小する案を検討するとし、「ワクチン政策を推進しているので、約3週間後には症状が発現した個体だけを処分する方向で(検討する)」と言及。この3週間は、ワクチン接種後に抗体ができるまでかかる期間だ。
現在、韓国政府はランピースキン病が発生した農場で飼育する牛はすべて殺処分するよう指示している。
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