最近、韓国のデパートや商店街を歩いていると、日本のあるキャラクターがよく目につく。
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丸い顔に大きな耳がかわいらしいビジュアルのサンリオキャラクターが、韓国で空前のブームとなっている。
韓国では今、大企業やコンビニ、大手カード会社などがサンリオキャラクターとのコラボに熱を上げている。韓国の大衆はなぜ、日本のキャラクターであるサンリオに熱狂しているのだろうか。
その最大の理由としては、“レトロブーム”が挙げられる。
昨年、韓国ではポケモンパンが復活し、とてつもないセンセーションを巻き起こしたことは記憶に新しい。
消費者はポケモン“パン”よりも、付属している“ステッカー”収集が大きな目的だった。当時、コンビニはもちろんオンラインフリマ、中古店などではステッカーだけが売りに出され、ポケモンステッカーの相場リストまで出たほどだった。
このようなレトロブームに乗り、1980~90年代のキャラクターたちが復活している。1998年に韓国に初めて進出したサンリオシリーズの主な消費者層は、MZ世代である20代女性と女児だ。
サンリオシリーズでシナモロールが好きだというパク・セウンさん(28、会社員)は、「幼い頃好きだった記憶が消えていない。日常に疲れても、シナモロールを見ると童心に戻ったようで癒される感じ」と話した。
また最近、子供のような心を持つ大人の登場により、幼児向けキャラクターのグッズを収集する人も増えている。
このような現象を後押しするかのように、さまざまなメーカーがサンリオとのコラボを推し進めている状況だ。
単なる幼児向けキャラクターという枠を越え、多様性を追求する幅広いMZ世代の好みに合わせるという狙いだ。
食品大手のSPCは、昨年のポケモンパンの成功に続いて、サンリオとのコラボに乗り出した。SPCのある関係者は「昨年がポケモンに集中したとすれば、今年は女の子たちが好むキャラクターとして、古典的イメージでありながらも可愛いイメージのサンリオを選択した」と説明している。
そして“サーティーワンアイスクリーム”で知られるバスキンロビンスとサンリオのコラボグッズは、事前予約30分で完売したことによって2次イベントを準備するほどの人気ぶりだ。
バスキンロビンスの関係者は「今回の協業は、若い消費者、特にアルファ世代+Z世代を攻略しようと企画された。人気キャラクターの特色が製品やグッズなどで具現化されるよう努力した」と話す。
サンリオの人気は小売業界を越え、カード会社も反応している。
新韓カードは今年3月、サンリオと提携し、マイメロディ、クロミ、ポムポムプリンの顔をイラストされたカードを発表したのだが、4日で5万枚以上の申し込みが殺到し、発行が遅れるほどだったという。その後、1カ月で10万枚以上が発行されるほどの盛況となった。
ある小売業界関係者は「高物価時代の不景気の中で、20~30代のMZ世代はサンリオを通じて、ささやかな慰めと楽しみを求めている雰囲気だ。“揮消価値”(揮発的な消費だが、自分にとっては価値のある合理的消費)という言葉にふさわしい消費」と述べている。
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