韓国における新型コロナウイルスの感染拡大がデルタ変異株によってますます強まっている。
7月8日は新規感染者数が1316人となり、前日に続いて過去最高を更新した。
地域別で見ると、ソウルが503人、隣接する京畿道が405人となっていて、新規感染者の75％が首都圏に集中している。現在の状況が続く場合、今月末には2000人を超える新規感染者が発生するだろうとの見通しも出ている。
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韓国中央防疫対策本部チョン・ウンギョン本部長は、7月8日の定例ブリーフィングで増加する新規感染者数を予測した。
彼女は「民間の専門家と合同で、数学的モデリングを用いて感染者発生の見通しを推定した結果、7月末の患者数は、現在の水準が維持された場合は1400人程度」とし、「現在の状況が悪化したときには2140人に達すると予測された」と明らかにした。
中央防疫対策本部は感染していない人がウイルスにさらされて感染し、回復する過程を微分連立方程式を通じて算出した後、発生の増減を予測する「S-E-Q-I-R」のモデリング手法を活用した。このモデリング手法では、感染者の1人が、どれくらいの人に感染させるかを示す「感染再生産指数」などを活用する。この数値は、1以上の時は「流行拡散」を、1未満のときは「流行の抑制」を意味する。
分析の結果、感染再生産指数が0.72である状況では、新規感染者数が510人で、今よりも700人近く減少すると予測されたが、逆に1.71まで高くなると新規感染者数が2000人台上がった。
中央防疫対策本部によると、最近の感染再生指数は、全国が1.21～1.29、首都圏は1.29～1.30程度と推算される。中央防疫対策本部は、第3四半期が終わる9月末には感染者が大幅に減少すると見ている。
チョン本部長は「拡散が抑制されると、患者数は減少傾向に転換することができる。ワクチン接種が計画通り行われて防疫上の注意遵守が積極的に移行されると、9月末には、はるかに低いレベルに減少すると予想される」と述べた。
第3四半期には50歳以下の成人に予防接種の対象が大幅に拡大されるため、防疫対応に大きな問題がない場合は、9月末には少なくても260人、多くて415人レベルにまで新規感染者数の減少が予想されるというのがチョン本部長の説明だ。さらに彼女は「接種率が高いアメリカ、イギリス、イスラエルで最近感染者の発生が増加しているが、接種の効果で死者発生は減少するか、維持されている」と接種の重要性を改めて強調した。
チョン本部長は現状を4つの段階にわけたレベルで、最高の第4段階だと判断した。感染者の増加は人口が密集する首都圏地域で顕著になっている。過去1週間（7月1日～7日）、首都圏の一日平均の地域発生感染者は636人で、直前の3週間（6月10日～30日）と比較して68％増加した。同じ期間、非首都圏感染者の7％増とは対照的だ。
チョン本部長は「首都圏の流行が非首都圏に広がる危険性がある。このような流入を遮断する措置を強化するのが必要な状況だと、地方自治体と議論する」と明らかにした。デルタ変異株の拡散性と関連して「デルタ変異株の検出率は直前1週間と比べ約3倍増加しており、首都圏の場合4.5％から12.7％程度」としながらも、「8月には“優占化”する可能性も排除できない」と警告した。
一方でコロナ流行後、最多の新規感染者が出てきた状況について謝罪し、国民一人ひとりの防疫協力を改めて要請した。チョン本部長は「防疫状況を安定的に制御できず、当局者として国民に申し訳ないという言葉を伝える。今の流行を迅速に終わらせ、社会全体の犠牲を減らすためには、もう一度団結した歯止めが切に必要だ」と強調した。
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