新型コロナの影響が直撃した新世界(シンセゲ)グループの免税店が、韓国ソウルの流行最先端の街に出している江南(カンナム)店の撤退を検討しているそうだ。
韓国の小売業界によると、新世界免税店は早ければ2021年7月にソウル市内にある江南店の閉店を考えているという。2018年7月にソウル瑞草(ソチョ)区にあるセントラルシティ内にオープンして3年での出来事だ。
新世界免税店の関係者は、「昨年から新型コロナの影響により経営が悪化し、撤退など多様な方法を検討してきた。江南店撤退は実績改善に向けた案の1つとして、まだ最終決定は下っていない」と述べている。
しかし、業界は江南店の撤退は遠くないと見ているようだ。江南店はソウル市内において明洞(ミョンドン)店に次ぐ2番目の店舗だ。
江南店はオープン当時、1年で売上5000億ウォン(約500億円)を達成するという目標とともに、観光ハブ都市の中心に生まれ変わるという計画を発表し、注目を集めていた。
しかし、2020年から続いている新型コロナの影響により売上が激減。新世界免税店を経営する新世界DUTY FREEの昨年の売上は、1兆9030億ウォン(約1903億円)で前年比42.4%減少し、営業利益も損失に転じたそうだ。
今回の江南店を皮切りに、ソウル市内に点在する免税店の“ドミノ閉店”の可能性も危惧されている。すでにソウル市内の主要免税店は、昨年から新型コロナの影響で客足が途絶えたため、時短営業や臨時休業を余儀なくされている。
韓国免税店協会によると、昨年の免税店の売上げは計15兆5051億ウォン(約1兆5505億円)で、前年比37.7%減少したという。
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