韓国ソウル市の青年雇用事業で前科者やホームレスを学校に?学父兄、教師が猛反発のワケ

2020年07月31日 社会

ソウル市が働きたい若者を緊急支援する「青年希望雇用事業」を進め、学校生活サポートスタッフ2600人を募集すると明らかにすると、すぐに教師や保護者が猛反発した。

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彼らが猛反発している理由は、募集人員の選抜基準に前科者、ホームレス、更生保護対象者が含まれていたからだ。

公告直後から抗議が殺到し、大統領府ホームページに国民請願まで登場すると、ソウル市は問題視された部分を何事もなかったかのように削除した。それでも事態は収まりそうにない。

ホームレスや前科者が優先される?

ソウル市が発表した学校生活サポート事業は、趣旨自体は悪くない。新型コロナによって雇用市場の悪化が続いており、ソウル市が青年たちを緊急支援するための方案としてリリースした短期雇用だ。

「学校生活サポート」とは、新型コロナ事態のなかで学生の安全な教育活動を支援(防疫活動、遠隔授業サポートなど)し、変化する教育環境においても学校運営の早期安定化のために雇用を準備するという趣旨だ。

学校現場に若者たちを配置し、多岐にわたった業務の支援を骨子とする。勤務期間は採用時から年末までの最大4カ月ほどで、2600人を選抜すると伝えた。

問題は、選抜基準にある。ソウル市は、“就職脆弱階層”と新型コロナで失業・廃業を経験した者を優先的に選抜すると明示した。

韓国政府と自治体が合同で指定した“就業脆弱階層”には、低所得層(基準中位所得の65%以下)、障がい者、6カ月以上の長期失業者、結婚移民者、北朝鮮離脱住民、危機青少年、女性家長、性売買被害者、ひとり親家族支援法による保護対象者、更生保護対象者、受刑者で出所後6カ月未満の者、ホームレスが含まれる。

教師や保護者は、特にホームレスと前科者が学校で子供たちをサポートするのは話にならないと口をそろえた。

「前科者と子供を2人きりにするのか」

ソウル市が公告すると、「幼稚園児1人と小学校1人の母親」と明らかにした請願人が、大統領府の国民請願掲示板に請願文を載せた。

請願人は「(学校生活サポート雇用が)発熱検査、感染が疑われる学生の管理サポート(別途の場所に移動案内、保護者に連絡など)、登校指導、密集度を軽減するためクラス分けサポート、学生の移動授業のサポート、給食生活指導、トイレ利用生活指導など、すべて子供たちと密接な活動をする」と指摘し、「特に管理サポートやトイレ利用生活指導などは、子供と労働者が2人きりになる状況が発生する業務に思える」と書いた。

続いて請願人は、「拘禁を伴う刑の執行を受けて6カ月も経っていない受刑者が学校に入ってくることになる。私の子供が37.5度の微熱があった場合は、受刑者の手を握って、別のスペースに移動することになるだろう」と憂慮した。

韓国大統領府ホームページに掲載された国民請願

教師たちの危惧も国民請願の内容と大きく変わらない。

仁川(インチョン)の小学校教師(44歳・女性)は、「選抜対象者にホームレス、出所後6カ月未満の人が含まれていることが理解できない。特に低学年の子供ほど、学校にいる人を先生だと思って従う。この募集は、行政安全部が全国的に下した指針と聞いた。全国各地で“就業脆弱階層”の青年が学校に入って働くことになるという話が出回っている。教師たちも不安は同じ」と述べた。

学父兄コミュニティなどを通じて内容が共有され、反対世論が大きくなると、ソウル市は“就業脆弱階層”を優先的に選抜しないと立場を変え、その内容を削除した。

しかし保護者たちは、青年の雇用先を作るために身元を確認するのは難しい彼らを学校に割り当てるのは、学生にとっても、教師にとっても役に立たないと公告自体の撤回を要求している。

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