女性を脅迫して制作したわいせつ映像や画像を共有したチャットルーム“n番の部屋”の運営者(ニックネーム“カッカッ”)A氏(24)が警察に検挙された後、初めて姿を現した。
A氏は5月12日午前、大邱(テグ)地方裁判所・安東(アンドン)支院で開かれた拘束前被疑者尋問(令状実質審査)に出席した。
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彼は帽子とマスクを着用したトレーニング服姿で、入監されていた安東警察署から警察護送車に乗って、安東支院に向かった。
そもそも韓国を揺るがした“n番の部屋”事件とは、女性を脅迫して撮影したわいせつ映像や画像を数十万人がSNSで共有していた組織的なデジタル性犯罪のことで、20万人以上の有料会員がいたという。被害女性は未成年者を含む70人以上に上る。
そのチャットルームのひとつ、“博士の部屋”を運営していたチョ・ジュビン(24)は、アルバイトなどと称して女性を募集し、応募時点で個人情報や顔が映ったわいせつな画像を受け取り、それを口実に脅し、さらに過激な動画を撮影させたとされる。
チョ・ジュビンはすでに逮捕されており、その共犯者である陸軍一等兵イ・ウォンホ(19)、カン・フン(18)なども身元情報が明らかにされている。
そんな“n番の部屋”を初めて作った人物が”カッカッ“だとされる。“カッカッ”はSNSの“逸脱アカウント”(自らの性的行為を認証するアカウント)から女性の個人情報を入手し、それを口実に脅迫してわいせつ映像を制作し、チャットルームに流布する方法で犯行に走った。
“カッカッ”は被害者の個人情報を入手した後、「逸脱アカウントを運営したという事実を知人や家族に知らせる」「警察に通報する」などと脅迫しながら、わいせつ映像を撮影するように指示した。
こうして作られた映像は、被害者の名前や学校名などの個人情報とともに“n番の部屋”に共有された。被害者は30人余りとされ、彼女たちの映像を見ようと利用者700人余りがチャットルームに入場したとされる。
警察署から出発するときや裁判所に到着したとき、“カッカッ”と呼ばれたA氏は「カッカッで間違いないのか」などの取材陣の質問に何も答えなかった。
しかし令状実質審査を終えた後、「容疑を認めるか」という問いに「認める」と答えた。続いて「被害者に言いたいことはないか」という質問に、「申し訳ない」という言葉を繰り返した。
A氏は未成年者を含む多数の女性のわいせつ映像を制作し、テレグラム(SNS)チャットルームに流布した容疑などを受けている。
2019年7月から“カッカッ”を追跡してきた慶北地方警察庁は5月9日、“カッカッ”として特定したA氏を召喚して調査し、本人の自白を受けて児童青少年性保護法違反容疑などで緊急逮捕した。
警察は令状実質審査後に拘束令状が発行されれば、身元公開委員会を開き、A氏の身元を公開するかどうかを決定する予定だ。
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