1億7000万円もの投資金を受け取って返済せず、それでも韓国検察が「詐欺罪成立せず」としたワケ

2025年03月05日 社会

韓国で高額の投資金を受け取ったにもかかわらず、元本すら返済しなかった投資会社の代表が「詐欺罪なし」との判断を受け、波紋を呼んでいる。

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ソウル東部地検は昨年12月5日、詐欺の疑いで送致された投資会社代表A氏に対し、不起訴処分を下したという。

A氏は2019年から約1年間にわたり、投資家13人から約17億ウォン(約1億7000万円)の投資金を集めたが、約束された収益金どころか元本すら返済しなかったとされている。

被害者たちは「A氏は投資金に対して一定割合の収益金を支払うと約束したが、最終的に元本すら返還せず、資金を個人的な用途に流用した」と主張し、詐欺の疑いで告訴していた。

検察が詐欺ではないと結論付けた理由

韓国
(撮影=スポーツソウル日本版編集部)韓国。写真はイメージ

一方、A氏はこの疑惑を全面否定。「収益金を支払えなかったのは、新型コロナの影響で投資先の企業が貸付金を返済できなかったため」と主張。さらに、「現在、債権回収のために借主企業に対して差し押さえ命令を申請し、返済に向けた対応を進めている」と強調した。

検察はA氏に詐欺の意図はなかったと判断し、不起訴処分を下した。その理由として、会社の口座取引履歴を調査した結果、A氏が投資金を個人的に使用した証拠は確認されなかったこと、財務諸表を精査した結果、2019年以降、会社の経営状況が悪化していたことが認められたことを挙げた。

さらに、借主企業に対する債権差し押さえおよび回収命令の申請が、裁判所によって認められている点も考慮された。そして、被害者(告訴人)に対し、投資の元本損失リスクがあることを事前に伝えていたことも確認されたため、A氏が投資家を故意に騙したと立証するのは困難と判断された。

A氏の弁護を担当した法律事務所デリュンのパク・ソンドン弁護士は、「詐欺罪が成立するためには、最初から相手を騙す意図があったことが証明されなければならない」とし、「本件では、A氏が投資金を返済できなかったのは、投資先である借主企業の経営悪化が原因であり、意図的に投資家を欺いたわけではないと認められた」と説明した。

ただ、不起訴処分に対して被害者たちは強く反発している。投資家の一部は「約束された収益どころか元本すら返ってこないのに、これが詐欺ではないというのは納得できない」と憤りを見せている。

検察が詐欺罪を認めなかったものの、被害者が資金を回収できるかどうかは依然として不透明な状況だ。今後の民事訴訟の行方にも注目が集まっている。

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