4年ぶりだ。韓国に戻ってきた日本のビールが、国内ビール市場1位を獲得したと話題だ。
日本の魚介類の輸入減少、国産天日塩の品薄現象などのイシューが生じているなか、日本のビールだけは格別な待遇を受けている。韓国の消費者はこぞって日本のビールを購入していることから、事実上、“NOジャパン”は終わったようだ。
2019年当時、日本は強制徴用被害者の賠償判決を口実に、韓国への半導体とディスプレイ素材の輸出を規制した。その後、韓国国内では日本のビールをはじめ、衣類、自動車など日本不買運動が起きた。これによりアサヒ、サッポロ、キリンなどの日本ビールは大型マートやコンビニから姿を消していた。
一時は激しかった日本不買運動だが、今年3月から徐々に沈静化し、日本のビール、衣類、自動車の輸入は次第に回復傾向を見せた。
結局、去る5月にロッテアサヒ酒類が「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を7月の正式発売前に一部を供給し、市場の反応を確認した時、NOジャパンは終息した。
当時、「ジョッキ缶」は正式発売ではなかったにもかかわらず、韓国の消費者はこれを購入するために大型マート、コンビニなどがオープンする前に並んで待ったほどだ。その後も入荷する度に即完売という状況が続いた。
徐々に回復傾向を見せていた韓国内の日本製品市場において、ジョッキ缶が発火剤の役割を果たすことに。これをきっかけに日本のビール輸入量は3倍以上も急増し、韓国でビール輸入国1位の座も奪還することとなった。
このジョッキ缶を皮切りに、韓国市場で日本は地位を拡大しているのが現状だ。すでに日本にとって韓国とは、経済力、好み、距離など輸出をするのに最適の国といえる。物流費用や変質による埋没費用も比較的少ないだけでなく、最近の韓国の消費者は日本製品に熱狂しているため、この上ない国なのだ。
現在、日本は韓国市場攻略に集中している。両国の政府が関係改善に乗り出した点も一役買ったが、サンリオ、『SLAM DUNK』といったカルチャー流行したことで、韓国はすでに日本の“黒字創出国”となって久しい。
日本の種類を韓国に輸入・流通するロッテアサヒ酒類は、このような人気に力を入れ、7月17日までソウルの現代デパートでポップアップストアを運営していた。このストアは先週末、豪雨と猛暑が襲ったにもかかわらず、消費者の足が絶えなかった。韓国の消費者たちは列に並んで訪問し、オープンからわずか2時間で準備した物量が底をつくほどだったという噂だ。
ロッテアサヒ酒類の関係者は「消費者の物量要請に、日本の大阪、福岡、名古屋にある製造工場から引き続き物量を発注し、輸入してくるほど」と話す。
また、今年上半期は日本路線の利用客数が金浦~済州の往復路線利用客数を4年ぶりに追い越した。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、今年1~5月に来日した外国人863万8500人のうち、韓国人が258万3400人(29.9%)で1位となっている。
加えて円安の長期化により日本の直接購入サイトも好況期を迎えた。韓国統計庁によると、今年第1四半期にオンラインショッピングで日本商品を直接購買した額は1201億7300万ウォン(約132億5000万円)で、昨年同期の約928億5000万ウォン(約102億円)よりも29.1%増加した。
日本がこの4年間の失われた時間を取り戻すかのように、本格的な韓国消費者の獲得に乗り出した。NOジャパンが終息した今、韓国の消費者は選択的消費財で日本を楽しんでいるようだ。
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