「妊婦なので不安でワクチンの予防接種を受けなかった。今日、政府が大型マートとデパートの防疫パスの解除を全国に拡大すると発表したため買い物に出たが、明日から適用だというので、またあとで来なければならないようだ。日替わりの政策に混乱を覚える」
1月17日、京畿道果川(キョンギド・クァチョン)のとある大型マートで会った消費者は、店の前できびすを返した。出入口に配置されたスタッフは、「18日から、防疫パス施行前と同様にQRコードと安心コール、手記名簿を作成し、入場できる」と案内していた。
韓国政府は同日、中央災難安全対策本部会議を開き、塾など6種類の施設の防疫パスを解除することを明らかにした。
クォン・ドクチョル対策本部1次長は、「政府はマスクの常時着用が可能で、唾液が飛び散るようなことの少ない施設に対する防疫パスを解除する計画」と述べていた。
今回の決定により防疫パスが解除される施設は、デパート、大型マートなど大規模店舗を含め、読書室やスタディカフェ、図書館、博物館、美術館、科学館、塾、映画館、公演場など6つの施設が含まれる。
読書室、スタディカフェ、図書館、博物館、美術館、科学館は、マスクを着用して利用する施設であり、唾液が飛び散る可能性が少ないという点が考慮された。ただし、常時マスクの着用を維持するため、施設内での飲食禁止は継続される。
そしてデパート、大型マートなどではマスクを常時着用でき、生活必須施設である点が考慮されたため、防疫パスが撤回した。しかし、店舗内にあるレストラン、カフェは防疫パスが適用されるため、別途管理する方針だという。これらの施設内での試食、試飲などの、飲食、客引き行為も制限される。
今回の決定について流通業界の関係者は、「ワクチンパス適用後、1週間は試行期間であるため、ワクチンパス施行で売上影響は大きくなかった」とし、「妊婦や基礎疾患患者向けなどの細かい指針がなかったため混乱したが、政府の細かい指針が発表され次第、現場に適用する計画」と明らかにした。
ソウル市内のデパートとスーパーは17日から、全国の店舗は18日から防疫パスが解除される。
去る14日、ソウル行政裁判所行政4部は嶺南大学のチョ・ドゥヒョン教授ら1023人が、保健福祉部長官、疾病管理庁長、ソウル市長を相手取って起こした防疫パス処分執行停止申請を一部引用し、ソウル市内の3000平方メートル以上のデパートや大型マートなどに対する防疫パスの効力を一時中断している。
判決が出たあと、ソウル市内にあるデパートや大手スーパーのみ防疫パスの利用を中止し、地域別の公平性をめぐる議論が巻き起きた。
特に、感染者の発生が多く、人口密度の高いソウル地域だけが解除されるというなどの理由で、意味がないという意見が大勢だった。韓国政府はこのような議論を考慮し、全国で防疫パスの解除措置を適用することを決めたというのが今回の経緯だ。
韓国政府は、「今回の防疫パス調整は恒久的な措置ではなく、防疫、流行の状況によって調整された一時的な措置」とし、「防疫状況が悪化すれば再び調整することもできる」と明らかにした。
また、防疫パスの例外範囲や処罰などに関する制度改善も早急に決定し、今後発表する予定だ。
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