福島原発の汚染処理水排出に韓国猛反発、コロナとのWパンチで“市場悲鳴”に不買運動も再燃 

2021年04月15日 社会 #日本不買運動

日本政府が決定した福島原発の汚染処理水の海洋放流で、鷺梁津(ノリャンジン)など韓国内の水産市場に緊張が走った。

海産物の放射能汚染への懸念から、消費者の足がより遠のくかも知れないという危機感が漂っている。

4月15日、韓国最大の水産物市場であるソウルの鷺梁津水産市場は閑散としていた。海産物の下処理をしている最中、時々通り過ぎるお客さんと目が合うと、「“安心して”召し上がってください」という店主のあいさつが印象的だった。

発表直後から大きな影響が

新型コロナで客足が遠のいたことに続き、今回の日本政府の決定発表後はテイクアウトの客すらいなくなったようだ。

鷺梁津水産市場で刺身屋と水産物販売をしているAさんは、「2011年に起きた福島原発事故当時、すべての海産物に対する懸念が高まり、日本産を扱っていなかった店の売り上げまで下落するなど被害が深刻だった」とし、「日本が汚染水を排出すれば、国産商品の消費まで急減することが懸念される。(韓国)政府が強く抗議し、汚染水の処理方式を変えるよう誘導すべきだ」と主張している。

鷺梁津(ノリャンジン)水産市場

また、魚介類を取り扱う水産関係者は、「最近はキャンプが流行り、持ち帰りや宅配注文をする客がかなりいたが、日本政府の発表以降、問い合わせさえも急に消えてなくなった」とし、「いくら韓国産だと言っても、早くも不信が生じている状況だ。新型コロナとの戦いが厳しい上に、弱り目に祟り目のようなもので途方に暮れている」とため息をついた。

不買運動も再燃、食生活にも危機感が

鷺梁津水産市場は週3回、日本産水産物を中心に放射能測定を行っている。同日、検査を行った店舗の日本産水産物は、軒並み放射能基準値を下回っていたそうだ。

市場関係者は、「日本産水産物を対象に、週3回放射能測定を行っている。鷺梁津で販売されている水産物のうち、日本産は3%にも満たない」と明らかにした。

今回の発表を発端に、鎮静化していた“不買運動”も再拡散の兆しを見せている。消費者たちはSNSに、「日本汚染水放出反対」「福島汚染水ストップ」などのタグをつけ、積極的に表明している。

国内最大の干物市場である中部干物市場で出会ったとある消費者は、「汚染水放流以後は国産でも海産物を買うのが嫌になりそうなので、賞味期限が長い干物をあらかじめ買いに来た」とし、「放射能数値を検査して安全な商品を販売するとしても、以前のように安心して食べることは難しそうだ」とした。

中部干物市場

協会は「壊滅的な被害をもたらす」と猛抗議

今回日本が下した決定に、韓国の水産業界は激しく反発している。韓国水協中央会は、ホン・ジングン代表をはじめ、韓国水産産業総連合会、韓国水産業経営人中央連合会、韓国女性漁業人連合会など、計25の全国水産団体が在韓日本大使館を抗議訪問したそうだ。そして糾弾声明書を発表し、声明書を渡したことを明らかにした。

韓国全土の水産団体は声明書を通じて、日本政府の原発汚染水放出決定を強く糾弾し、「汚染水海洋放出の決定を直ちに撤回」「決定が撤回されるまで、日本の水産物輸入の全面禁止」「市民社会団体と連帯し、海洋環境と国民の健康を最後まで守っていく」などを決議したそうだ。

水協関係者は、「日本政府の決定は、韓国はもちろん全世界の水産業を脅かす無責任な行為」とし、「水産物の放射能汚染に対する懸念を深め、水産物の消費急減と水産業に対して壊滅的な被害をもたらす」と声を高めた。

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