女子バレー韓国代表のイ・ジェヨン＆イ・ダヨンを筆頭に、有名人の学生時代の“いじめ問題”が大きな社会的イシューとなっている。
【注目】女子バレー韓国代表の美人双子に“衝撃の過去”があった
10～20年も前の出来事であるため、「成功者の足を引っ張る行為ではないか？」という見方もあるが、被害者にとっては一生の傷だ。だからこそ、この問題は人々に深い衝撃を与えている。
また、いじめや暴力の加害者ということが事実であれば、いくら時間が経ったとしても相応の罰を受けなければならないとの意見もある。
学生時代のいじめや校内暴力の基準はどこにあり、加害者はどんな処罰を受けることになるのか。そして被害者はどんな対応をすればいいのか。
学校の暴力事件に詳しい法務法人フィミョンのカン・ソンウク弁護士に話を聞いた。
◇
―いじめや校内暴力と関連して論争となっている部分と、処罰についてお聞かせください。
はい。これまで学校での暴力と関連した事件を数多く担当してきましたので、多くの人の助けになれればと思います。
―最も基礎的な質問からします。“学校暴力”という言葉がたくさん使われていますが、その基準はどうなりますか。
文字通り、学校内外で学生を対象にした脅迫、暴力、侮辱、強要、性暴力、いじめなどのことで、精神的、物質的に被害を与えたすべての行為を指します。それこそ相手が痛みを感じる一切の行為を意味することができます。
その程度がわずかで、いくらイタズラのようなものでも、学校暴力の対象になり得ます。
―では学校暴力の加害者は、どんな処罰を受けますか。
学校暴力の種類に応じて処罰は異なります。
校内で発生した学校暴力であれば出席停止、心理治療、退学、校内奉仕活動、接触禁止など様々です。重大な場合や学校暴力の再犯となれば、懲戒と同時に生活記録簿（学生の学籍を記録する帳簿）に記載されることもあります。
学生や親が最も恐れているのが、この生活記録簿に学校暴力の懲戒事実が記録されること。そうなると大人になって就職したり、社会生活をしたりする際に問題が発生する可能性があるためです。
ところが、2020年度1学期から適用された学校暴力改正案では、生活記録簿の記載条件が緩和されました。
以前は9つの懲戒処分のうち、申告者に対する報復、接触禁止、校内奉仕の3つの場合は、生活記録簿に記載されましたが、現在はそれらの懲戒を受けても記載されなくなります。ただ学校暴力の再犯となると、1度目のときは留保された部分まですべて記載されることになります。
この改正案については様々な声があります。被害者のためのものではなく、加害者のための改正案ではないかと。訳もなく濡れ衣を着せられた加害者であれば、今回の改正案が助けになるかもしれませんが、そうでない場合は、被害者を悲しませることになるようにも感じます。議論がされている部分でもあります。
―学校暴力を受けている最中ではなく、10～20年後に申告しても処罰が可能ですか。
それは難しいです。事件や事故には公訴時効というものがあるからです。学校暴力も同様です。
刑事訴訟法第249条によれば、暴行罪は公訴時効が5年。その時期が過ぎると、証拠資料が明確で、学校暴力が明らかであっても、刑事処分は不可能になります。
だから被害者は、加害者がテレビに出たり有名人になったりすると、過去の事実を大衆に公開する方法で罪の代価を払わせているのだと考えられます。
―「有名人に学校暴力を受けた」という暴露が虚偽だった場合、どう対応できますか。
実際に暴露によって学校暴力をしていた加害者もいますが、そうでない場合もあります。
とある人気ユーチューバーの場合も、そうでした。学生時代の知り合いが有名になると、そこから引きずり降ろそうという腹づもりがあったのか、ありもしない事実を作って疑惑を捏造した例です。
最終的には、証拠資料をすべて公開して事件が一段落しました。ただその騒動によって、個人の名誉が傷ついたことはもちろん、精神的な被害も大きかったように見えます。
法的には、虚偽事実の流布、名誉毀損、損害賠償請求など、さまざまな対応を試みることができます。
―最後に、伝えたい言葉はありますか。
学校暴力の疑惑が浮上すると、ひとまずは大衆に顔を知られた側が大きなダメージを受けます。もちろん、加害者として罪の代価を受けなければならないケースであれば、それに合う懲戒を受けるのも当然でしょう。
しかし嫉妬や悪意ある中傷による虚偽事実の流布であれば、話は別です。重要なのは、学校暴力が事実かどうかを見極めることでしょう。
また、成人になって夢を叶えた後でも、過去の学校暴力の事実は自分自身を一瞬で地獄に落とすことになるということを覚えておくべきです。
前へ
次へ
