マスコミに顔を出す職業の“宿命”というにはあまりにも過酷だ。韓国芸能界がフェイクニュースとデマに悩まされている。
韓国では2019年、ポータルサイトDaum（ダウム）が芸能ニュースのコメントを廃止し、翌2020年にはNAVER（ネイバー）も芸能ニュースのコメント欄を閉じた。
NAVERは当時、コメント欄閉鎖の理由について「確認されない噂や、人権侵害の恐れがあるキーワードが露出されるケースが発生している。人権を尊重し、プライバシー侵害の被害を最小化するためにサービス終了に至った」と説明していた。
各ポータルサイトのコメント欄が閉じ、“噂の発信先”を失ったネットユーザーたち。ところが、彼らは各種オンラインコミュニティや個人のSNSを通じて、有名人のプライベートを「○○らしい」という言いがかりで暴露し続けている。
最近では、イ・ジェウクやイ・ソジン、ヒョン・ボンシクなどの俳優が根拠のないデマに対する強硬対応を宣言した。
イ・ジェウクは最近、人気K-POPガールズグループaespa（エスパ）のメンバー、カリナとの交際を認めた直後からデマの被害に遭っている。
ネット上では、イ・ジェウクが昨年12月までに大勢の女優と交際する“乗り換え恋愛”をしていたという根拠のないデマが流れた。
これにイ・ジェウク側は強力な法的対応を予告した。所属事務所は「ネット上で俳優を誹謗し、虚偽事実を含む悪意的な意図の侮辱的投稿を確認した」とし、「これは深刻な人権侵害行為であり、当社は法的代理人を通じて民事・刑事上の協力は法的対応をすることを予告する」と警告した。
イ・ソジンは、韓国のネット上で話題を集めた「潜水別れ（別れも告げず突然連絡を絶つこと）の俳優“L氏”」の張本人と名指しされる事態に巻き込まれた。
当該の投稿では、バラエティ番組での上品な姿や“潜水別れ”など、まるでイ・ソジンを連想させるような手がかりが続々と掲載された。何より、投稿したネットユーザーはL氏が自身の身体の“重要部位”を撮った写真を送ってほしいと要求されたとも主張した。
この暴露の真偽とは関係なく、当該の投稿はネット上で即座に拡散された。
ネットユーザーはもちろん、一部のネットメディアもイ・ソジンを名指しする“釣り記事”を使用し始めた。こうなると、「事実ではないので対応しない」と静観していたイ・ソジンの所属事務所アンテナも対応せざるを得なくなった。
アンテナは、「俳優の実名が議論され、悪意的な誹謗と無文別な虚偽事実が継続的に掲示及び流布されていることを確認した。当社はこれ以上、状況の深刻性を見過ごせないと判断し、悪性デマを作成してこれを流布し、俳優の人格と名誉を傷つける行為に対して、いかなる善処や合意なく強硬に対応する予定だ」と明らかにした。
ヒョン・ボンシクも最近、デマ被害に遭った。
ヒョン・ボンシクの元恋人だと主張するネットユーザーは、自身と交際していた俳優A氏が日常的に浮気を行い、ペットを虐待して遺棄したと暴露し、A氏とやり取りしたというメールの内容を公開した。これにネット上では、A氏の正体がヒョン・ボンシクだという推測が出た。
すると、ヒョン・ボンシクの法律代理人を務める法務法人シデロのチョン・ヒウォン弁護士は、「最初の流布者から金銭を貸してほしいという要求があり、それに応じなかったことで、悪意のある虚偽事実を流布されたと見られる。現在、名誉毀損だけでなく恐喝、脅迫などに対しても捜査機関の捜査を要請した状況だ」と説明した。
著名人は一度デマの主人公になると、直ちに甚大な被害を受ける。イメージに打撃を受けるのはもちろん、今後の活動にも支障が生じる。
釈明をしなければデマがレッテルのように付きまとうため、所属事務所は釈明のためにエネルギーを注がなければならない。根も葉もないデマを、多くの時間と費用を使用して暴かなければならない。真実を正すことほど難しいことはない。
現時点では法的対応が最善の方法だ。とある芸能関係者は「芸能人はとても軽いレッテル一つでも大きなダメージを受ける。特に、事実でない場合はそれだけ対応も最大値に、敏感に反応するしかない」と分析した。
続けて、「俳優と所属事務所はデマの事実関係を把握し、対策を立てる時間が必要だが、大衆は待ってくれない。デマが広がった以上、マスコミも大衆も中立を保つことは難しいからだ。そのため、より大きなデマの拡散を防止するため、法的対応を先に行う」と伝えた。
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