俳優ハ・ジョンウが、ラブコメディに対する渇きをあらわにした。
【前編】俳優ハ・ジョンウ、多忙な1年を「本当にひどい」と語った理由は?
新作映画『白頭山』(イ・ヘジュン、キム・ビョンソ監督)を通じて観客に衝撃と感動を与えているハ・ジョンウ。同作は公開からわずか3日で観客動員数100万人を突破。大ヒット行進を続けている。
“メガヒットを連打する俳優”として連日のようにその名が取り上げられるが、当の本人は大作にばかり出演することについて若干の口惜しさを感じているようだ。
ハ・ジョンウは「もう少し規模の小さい映画をやりたいが、俳優として選択できる範囲そのものが10年前より減った」と切り出し、“役者”という立場から離れた映画との関わりかたについて語った。
「『エターナル』(監督イ・ジュヨン、主演イ・ビョンホン)がそうだったように、最近は映画の制作を担当しながらチャンスをうかがっている。準備しているものがまだある。引き続き、自分のできる範囲で今後につなげようとしている」と語った。
そんなハ・ジョンウの努力は、少しずつ実を結んでいるようだ。
「来年上半期に公開予定の出演映画『クローゼット』(キム・グァンビン監督)は、それでも比較的小規模な映画。最近の韓国映画の平均制作費に比べれば、ミニマルなほうだ。そういった部分では、少し目新しい部分を見せられるのではないか」
すでに『ローラーコースター』(原題)や『許三観』(原題)を通じて、監督としての歩みも見せたハ・ジョンウ。今後の計画については「演出のほうで作品に関わることも考えているが、2年ほどの機関を要するので今すぐというわけにはいかない。やりたいという思いはある」と伝え、俳優としての活動に一層集中しようという姿勢を見せた。
さらに「準備していた映画は、ほかの監督に託した。俳優として活動もしていて、シナリオもゆっくりと煮詰めることができる監督だ」と付け加え、期待感を高めている。
俳優ハ・ジョンウの肩書きから離れた、一人の人間としての目標にも触れた。
ハ・ジョンウは、「そのままの私もまた、映画に関する目標のようだ」と答え、自らの創作意欲をあらわにした。
「心の片隅でずっと撮りたいと思っているのは、ラブコメディ。イギリス映画『ノッティングヒルの恋人』のような作品を撮りたい。あんなシナリオに出会うのは、とても簡単ではない」
ラブコメディに対する思いが膨らんだ理由については、「ただ面白そうだと思うから。平凡なキャラクターをやらなくなって久しい。『素晴らしい一日』(イ・ユンギ監督)で演じたような役を、とてもやりたい」と語った。
ラブコメディといえば、ドラマ作品でよく見かけるジャンルだ。ドラマに目を向けるつもりはないのだろうか。
ハ・ジョンウは「映画を優先的に考えている」としながらも、「私の考えを変えるような何かがあれば挑戦したいと、いつも考えている。ドラマの現場も昔とは状況が大きく変わったようだから」と前向きな姿勢も見せた。
さらに「ただ、私の気持ちとしては実際に演じてから演出もやりたいという思いがある。ドラマの世界に入り込む隙は、私にはないようだ」と続けたハ・ジョンウ。その言葉からは、映画に対する熱心な思いがうかがえた。(了)
前へ
次へ